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てっしゅう
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新連載!「サスペンス劇場 幽体離脱」 第一話

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「寝ていたから起こさなかったわよ。お腹が空いたでしょご飯食べる?」

「うん、空いたよ。おれって変じゃなかった?」

「何を言っているの。変なのは頭だけでしょ?ハハハ~」

「相変わらずだなあ~口が悪い」

「顔がいいから仕方ないのよ。天は二物を与えずっていうからね」

「母さんは幸せだよ、本当に」

「イヤミかい?お父さんが亡くなってこれでも寂しい思いをしているんだよ。お前だけが楽しみなんだから、本当に心配かけないでね」

「なんか責任重大だなあ~って、再婚したらどう?顔が良いんだろう」

「再婚?50で?」

「もうそんな歳?・・・そうか、あきらめるしかないか」

「何よ、失礼な。奥様はまだ四十歳ちょっとでしょ?って、仕事先では言われるのよこれでも」

「へえ~そうなんだ。確かに見た目は若いな~」

「私が再婚しても修平は何とも思わないの?」

「おれが何を思うって考えているんだよ?」

「だって、あなたにとってお父さんは一人でしょ?」

「もちろんだよ。でも母さんも一人だよ」

「いい人がいたら考えることにするよ。それよりお前のお嫁さんの方が先だよ」

「そこへ来たか、結婚はしないから期待はするなよ」

「どうしてそういうことを言うの?一人でずっと生きて行けないよ」

「そんなことないさ。母さんが居るし、そのあとは施設にでも入るから心配するなって」

「喜んでいいのか解らないけど、これじゃあ長生きしないといけないって考えちゃうわ」

「あまり先のこと考えても仕方ないよ。それより早くご飯くれよ」

「はいはい」

その日、日曜日の夜も寝るとすぐに同じような現象が起きた。一時間ほどで元の身体に戻ってゆくことの繰り返しが始まってしまった。
眠ると目に見えない自分が現れるという現象は、調べると幽体離脱ということらしい。
霊魂である自分が本来なら肉体が死なないと外に出ないはずなのに、出て行くということと、この先どう付き合ってゆくのかという悩みが始まった。