小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

もやもや病 8

INDEX|3ページ/10ページ|

次のページ前のページ
 


73 患者会

患者会というものはいろいろなものがある
患者本人が中心のもの
患者が子どもでその親の集まりというもの
患者が幅広い年齢で、患者本人も親も同じようにいるもの

患者会の内容も違う
他のことを知らないので難病と言われた次男を中心に考えるだけのことだけど
身体疾患…目に見える疾患
内部疾患…見た目は何ともないことがあっても
疾患によっての知的レベルの落ちる疾患…
その他、いろいろ…

もやの会は、本人も家族も混ざっている会だった
最初は、病気を持つ親の会から始まったと聞いたが、そのうち十年も過ぎれば、子ども自身が大人になる
大きな会なら患者本人と親の立場と分ける活動をすることもあると思うけれど…

私は親の立場…
患者本人の立場にはなれない
けれど、どんなことも立場はあって、そこを思い遣ることが出来るかどうかと言うことだと思う

会の中の主だった人の中にも
子どもが患者、連れ合いが患者、本人が患者
患者本人の子どもが患者
親が患者、兄弟姉妹が患者…当たり前にある

私は、親の立場、かなりの偏った考え方かもしれないけれど…

連れ合いは、ほとんど同時の時間の問題じゃないか(?)
親の場合は、いつかそういうときが来る(?)
兄妹の場合も、同時進行で年を取る(?)
患者本人、辛いだろうけれど、自分自身のこと…(?)

親は…子どもを残して逝かなければいけない
同時にはならないから…
だからこそ、個人の問題ではなく、行政の問題としてとらえて欲しい、親が安心して逝けるように

不景気な時代が、庶民に我慢を押しつけるとき、難病患者に、甘えるんじゃない…と言う意識が出てくる…
どうしてあなたたちだけ優遇されるのかという意識

決して優遇されているというところまで来ていないと思うのに、医療費が高いと嘆くとき、お会計はありませんという人を見たら、なぜ?どうして?と不公平感を感じる…そういうことってあると思う
それを先回りしたように、病気の患者に同じように負担してもらいますという形…

病気の中にも、難病というくくりに入れるもの入いれないもの…よくテレビで、難病にも指定されないという放送がある…

自分達の現状だけでなく、大きく広く見なくちゃいけないという思いを持ちながら、患者会活動の中で、立場の矛盾が出てくる…これはまた、別の話…

親が残して逝く子どものことを案じるのは当然のことで
自助努力で、重い障害をリハビリで克服するとき、泣きながらのリハビリでも、その後、身体障害者手帳をとろうとするとき
1,2級以外は、特に何も恩恵もなく…手帳を手にして、ただ障害という重さだけが残る

下の方の等級での恩恵といったら、バスの半額運賃と101キロ以上の電車の運賃の半額
101キロ以上の鉄道を使って遊び歩ける患者がどのくらい居るというのか、ましてや普通運賃だけの半額で、特急料金に半額はない

施設に入所せざるを得ないような重い疾患なら、とりあえず親は逝けるのかもしれないけど
いまは、障害者自立支援の改悪の大きな問題も出てきてそうもいかなくなったようにも聞いている

とにかく私は、親の立場、結局はどう思い遣っても患者本人との思いは平行線だったのかもしれない

作品名:もやもや病 8 作家名:とことん