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もやもや病 5

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42 右脳と左脳

頭の中がどんなふうになっているかなんて頓着なく生きて来ちゃった私だけれど
ドクターの講演会のお話しで、ほぇ~っていうことばかりだった

頭の右左は、左右反対に影響する構造になっているから
右の脳に梗塞が起きると、左の方の問題が起きるのね、麻痺を起こして歩けなかったり手が動かなかったり
これはテレビが医療の問題を取り上げるようになったからもう知られるようになっているけど

左脳に脳梗塞が起きた次男は右手の麻痺になったけれど、もっと細かい分類がいろいろあるのだけれど、おおざっぱに言えば
梗塞や出血が起きると、言語に問題が出る場所もあったり
梗塞が起きた次男がなぜだか2週間一言も発しない入院生活があったのだけれど、主治医は、おかしいですね、言語に問題はないはずなんですけどって説明して下さった次の日に、お母さんと言えたとき、こういうふうに場所に寄ってある程度の問題が予測が付くのだと実感したけど

頭の中の脳梗塞を起こした場所は、見てみるとピンク色の弾力のある正常の脳の中で、豆腐のように白くぶよぶよした感じで、押すと弾力どころかズブズブと指が潜るようなそんな状態になるらしい

臓器の移植は出来ても、脳だけはそういうわけにいかなくて
それでいて、一度そうなってしまった脳の細胞が生き返ることはないのだけれど、周りの残っている正常な部分が働いてカバーしてくれる力があるんだって

だから画像だけ見たら、この患者さんは寝たきりだろうと思うような写真でも患者さんはピンシャン歩いているということもあり得るんだって
脳って不思議

それにね、小さい患者さんも大人でも頭を開けて血管の手術をするなんていうとき、すごく痛いのかなって思うのは当然で…
でも、脳という組織は痛みを知らない組織なんだって、だから血管を探すときに脳をさわっても、痛いと言うことはないって

もちろん手術の時、頭皮はメスで切るのだからその傷が痛いというのはあるけれど、例えば盲腸のように、くしゃみをするとお腹の中がうづくとか笑うと痛いとかそういう痛さはなくて
だから、手術のあと1日はICUに入ることがあったとしても経過が良ければ次の日からもう立って歩くことが出来るし、ご飯も普通のご飯が食べられる
そういう場所なんだって脳…

梗塞や出血が起きると失語症になることもあるとさっき書いたけれど
こういう症状の1つ1つが、高次脳機能障害と言うことになる
脳梗塞や、脳内出血の後遺症で高次脳機能障害になるってそういうことなのね…
失語で話を出来ない人もあるかと思うと
話し出したら止まらない、周りの状況判断が出来ない、今はもうこんなにしゃべっていてはいけないみんなが待ってる、時間がない、そういうことが理解できずにとうとうとしゃべり続けるという、そういうこともあったりする、これも高次脳機能障害の1つ
頭の中ってそんなふうに、いろいろなことがあるんだって…
でもね、次男がいつも言うように、頭が痛いと言っても熱が出る訳じゃなく、誰にもわかってもらえないから、嘘ついて怠けてるみたいに思われる
ウルトラマンのように、胸でもおでこでもどこかがぴかぴか光って、今は頭が痛いと教えてくれるんだったら良いのに…なんて言ったりしたけど

内部疾患の病気はいろいろあるけど、他の人にわかってもらえないということいっぱいあると思う、別にわかってもらって同情されたいとか、甘えたいという意味ではないんだけどね…

作品名:もやもや病 5 作家名:とことん