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てっしゅう
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新連載!「月ヶ瀬」 第一話

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「そうですか。村には古くからの習慣がありますし、よそ者には協力しないという閉ざされた考え方が存在します。私の調査もなかなか進展しません。こんな身体になってこれからどうするのか途方にくれますよ」

「お気の毒としか言いようがあらへんけど、早く東京へお帰りになられることが一番だと考えますがね。では失礼します」

警官の後ろ姿に解決する望みは感じられなかった。
案の定、半年後に届いた報告書にも運転していた者を特定できなかったとあった。山崎はこれ以上村に出向いて調べても何もわからないだろうことを悟った。
しかし、このまま依頼主に他の弁護士に頼んでくれとも言いにくい案件である以上、妻と相談して同じ弁護士である妻の兄に委託しようと考えた。

妻の兄は京都市に住んでいた。妻も京都出身だ。
山崎は長い手紙を書いて妻に渡し、京都へ行ってきて欲しいと頼んだ。
車で行けば京都市内から月ヶ瀬までは一時間半ほどで着く。

「静子、お兄さんにこの手紙を渡して、私の受けた調査依頼を肩代わりして欲しいと頼んできてくれないか?」

「はい、わかりました。兄の事なので引き受けてくれると思います。私に任せてください」

「うん、頼りになるよ。向こうへ着いたら私に無事な事電話してくれよ」

「ええ?子供じゃありませんわよ。ご心配なさらなくても」

「私は襲われたんだよ。何が起こるか解らないからそう言ったんだよ。気をつけて、一人で歩くときは十分注意しなさい」

「そうね、京都市内は人通りも多いし、タクシーで兄のところまで行きますからご安心なさってください」

「それがいい。じゃあ、頼むよ」

平成16年3月10日、山崎静子は弁護士である夫、友和の依頼を受けて、新幹線で京都へと向かった。八条口からタクシーに乗って東寺を過ぎて静子の兄が住む自宅兼弁護士事務所に着いた。