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藍城 舞美
藍城 舞美
novelistID. 58207
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SAMURALLOWEEN!!

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 「四人の侍」は自信に満ちた顔で化け物どもを一瞥すると、真紅の着物と灰色の袴を着たフィルがマイクを握り、持ち前のよく通る声でPEARLたちに呼びかけた。
「今の僕らに、怖いものは何もない!だからみんなも恐れないで、盛り上げてくれーー!!」
「「「「「YEAAAAAAAHHHHH!!!!!」」」」」
 PEARLたちは心を一つに、割れんばかりの歓声で彼らに答えた。

 LOVE BRAVEはそれぞれの楽器を手にすると、それぞれのポジションに移動した。そして白い着物と灰色の袴姿のスティーブンがエレキでギュイン、と鋭い音を響かせると、センターまで歩いてきた。そして、インディーズ時代からライブを盛り上げてきたアップテンポなナンバー「JUNK HEAP」のイントロのギターリフを聞かせた。アグレッシブなサウンドに、サポートミュージシャンのトレバーがリズミカルなドラムビートを乗せ、さらにジミーがジャンプや軽いスキップなどのアクションを交えながら、重厚なベースを乗せてきた。そしてヒューゴの鋭いエレキサウンドが加わり、仕上げに音程バッチリで、どこかなまめかしいフィルのヴォーカルが炸裂した。SAMURAIオーラを放つ「四人の侍」と、一体感を持って弾けるPEARLたちを見て、一つ目お化けどものほうが震え上がったが、悪霊サムライは強がるように言った。
「ぐっ…。ええい構わん。一つ目ども、この侍擬きどもを捕まえい。拙者がたたっ斬ってくれよう…!」

                   ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪

 4人の得意技を合わせた長いパフォーマンスのあと、スティーブンの「本領発揮」という言葉がぴったりのギターソロをもって「JUNK HEAP」が本格的に始まった。
「僕らに付いて来ーーい!!!!『JUNK HEAP」!!!!」
 吠えるように煽るフィルに応え、PEARLたちの大大歓声が会場中にこだました。LOVE BRAVEのメンバー全員は、ゴーストサムライの攻撃を見事なまでによけながらステージ上でジャンプしたり、1回転したりしながら演奏した。サビに入ると、PEARLたちも曲のリズムに合わせてジャンプし、ヴォーカルとともに熱唱した。ノリノリ度200%な彼らの雰囲気に耐えられず、一つ目お化けどもは次々に退散していった。

 スティーブンの最高にクールなギターソロが光る間奏のあとのサビでは、4人が放つSAMURAIオーラが頂点に達して会場中の観衆を残らず夢中にさせた。その影響でサムライゴーストは全身が震え、ついに刀を落としてしまった。一方、LOVE BRAVEのパワフルでハイテンションなパフォーマンスは曲の終盤まで続いた。また、フィニッシュでフィルの
「YEAHHH!!」
 のかけ声が決まると同時に、悪霊サムライは派手にひっくり返った。オーディエンスは、刀の代わりに音楽を武器に華麗に戦い、ゴーストを退治した「四人の侍」に惜しみない拍手と歓声を浴びせた。フィルは胸いっぱいに、また体いっぱいに
「Thank You!!!」
 と感謝の言葉をオーディエンスに送った。もはや味方が誰も居らず、完全に負けを認めたゴーストサムライは、おびえきった顔でステージを去っていったのだった。

                   ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪

 アンコールでは最初の衣装を着たメンバー4人、サポートメンバー2人、そして会場中のPEARLたちによるサビの大合唱が印象的なバラードナンバー「Everyone Needs Love」や定番ナンバー「Mannequin」など名曲の数々を歌い上げた。なお、屋外へ避難していたパールたちも奇跡的に再入場が許され、ほぼ全員が会場に戻ってきたのである。

 こうして、大盛況のうちにハロウィンライブは終わったのだった。ありがとう、LOVE BRAVE! 

 And HAPPY HALLOWEEN!!


                               (了)
作品名:SAMURALLOWEEN!! 作家名:藍城 舞美