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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「かぐや姫」 第六話

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「再起を図るためにここで決断しないといけません。搭載している戦闘機で一旦我々は近くの惑星に非難します。敵が去った後惑星かぐやへ帰還し、態勢を立て直します。国王もなるべく遠くの惑星に避難されてください。幸い生命維持装置は無事です。防御スクリーンを張ったまま、着陸できる惑星を見つけて艦の修復にあたりましょう」

「そうしよう。再起を図る準備が整ったらバイオテレパシーで連絡し合おう。十年、いやそれ以上時間がかかるかも知れないが各自準備を怠らないようにしてくれ」

惑星かぐやの生命体は高度に進化した脳細胞に新しく植え付けたテクノロジーで、数万倍の強さに脳波を信号化して、通信装置より早く広範囲に自分の存在を知らせる、または同じ種族の存在を知る役割を備えていた。
これは限られた軍人や政府関係者だけの能力でもあった。

かぐやに植え付けられたバイオメモリーとは、この能力を脳に伝えるための装置であった。細胞の中に隠されるほど小さく精密な最新テクノロジーを結集させた秘密装置でもある。

国王は船を停泊させるために隠れることが可能な惑星を見つけるため、前方の宇宙空間をスキャンした。

「国王、一番近くて3光年ほどあります。大気が不安定で良ければ1光年のところに二つ三つ発見できましたが、どうしますか?」

「三光年か・・・遠いな。今のパワーだと全力では飛べないから、三年以上かかるな。妻の出産も気になるから、あまり長く仮眠装置に入っていることには不安がある。私と妻だけを残してみんなは脱出してくれ。今なら戦闘機に食料も十分積み込める。君たちが離れたら、三光年先の惑星までスキップ移動する。多分燃料は尽きるだろう。艦も修復できていない部分からさらに破損が生じてくるかもしれない。今は、再起を待つしかないので、私の事より君たちの命と力を保つことを優先したい」

「国王、スキップ移動は実験段階での搭載装置であり、トラブルのある今の状況では危険すぎます。奥様のお体を考えて、1光年先の惑星に着陸してひとまずは計画を練り直しましょう」

「反乱軍は必ず私を探し出すだろう。テレパシーを出すことは控えないといけない。一か八かでスキップ移動に掛けてみる。早く君たちは艦を離れたまえ。敵はそこまで来ているかも知れないぞ」

国王に促されて、ほとんどの隊員は戦闘機に分乗して離れていった。
国王が向かった惑星の座標は各隊員の記憶に刻み込んだ。そこは同じギャラクシーの太陽系第三惑星、地球と名付けられた美しい星だった。