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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「かぐや姫」 第五話

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「それは危険です。我々にお任せください。後は指揮だけお願いします」

「すべての艦船が宇宙にある状況で、私が指揮しなくてはみんなの戦闘心が下がるではないか。すぐに出発の準備をする。司令官は急いでみんなと出航せよ」

国王は主力艦一艘を残して、全艦船を宇宙空間に待機させた。
妊娠していた妻を残そうと連絡をしたが、離れることは出来ないと一緒に搭乗することになった。彼女はすでに地上軍ではあったが防衛軍の兵士でもあったのだ。

「長い戦いになるかも知れない。覚悟はいいか?」

「大丈夫よ。私もかぐやを守る一員よ。あなたの邪魔はしないから」

妻を乗せて出発した国王の艦船は最新の防御装備を備えていた。
通常兵器では破壊されない防御スクリーンが開発されていたのだ。これは反乱軍の艦船には備わっていないから、一艘でも十分に戦える。
攻撃用ミサイルを発射する一瞬の隙、スクリーンは消える。そうでないと自爆する。

反乱軍が重力兵器を発射したら、それを防ぐ方法がない。
何としても発見次第即刻攻撃する方法しか自分たち政府軍が勝利する道はなかった。

直ぐに反乱軍が現れなかったことには理由があった。
自分たちが発射した重力兵器が作り出した重力場が拡大を続け、退く必要があったからだ。
威力の大きさに、ここはこのまま戦力を減らした政府軍の後を追って、惑星かぐやで再度全滅させる作戦をとろうと反乱軍指揮官は決定した。

進路を遠回りしたことで、数日遅れて反乱軍は政府軍の前に姿を現した。
すぐさま地上軍に座標を送信し、迎撃ミサイルが発射された。
一艘の艦船を破壊するとは思えないほど多数のミサイルが突き進んで行く。

迎撃用高熱レーザー砲で迎え撃つが、避けきれないと見るや、高速移動を開始した。

「逃がすな!」

国王の命令で、一斉攻撃を開始する。一進一退で一艘ずつ潰してゆくが、味方もやられ残りは国王の乗船している艦船を含めて三艘だけになっていた。
国王が乗っていると解った政府軍の艦船に反乱軍は数艘が接近して一斉攻撃を掛けるが、命中しない。目の前の敵にミサイルを命中させているのに爆破出来ないことに疑問を感じた反乱軍司令官は、防御システムを完成させていると悟った。

「奴ら防御スクリーンを完成させたらしい。厄介だぞ。みんな少し引け!」

そう命令すると、後退する艦船めがけて、国王の艦船からミサイル攻撃が始まり瞬く間に接近したすべての敵艦船は爆破された。