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てっしゅう
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「かぐや姫」 第三話

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西暦2026年、かぐやは10歳の誕生日を迎えようとしていた。

「祐一、ちょっと話があるの」

「どうした美加?」

「かぐやにね・・・生理が来たの」

「ええ?もうか、それは喜ぶべきことだな」

「うん、少し早いけどそういう子もいるからいいんだけど、それよりね祐一には見せられないだろうけど・・・すごく女らしい体つきに変化しているの。ちょっとびっくりした」

「ふ~ん、大人になってゆくということだから、喜ばしいことじゃないの?」

「十歳よ・・・」

「惑星かぐやの女性がどんな風なのか解らないけど、地球人とは成長の早さが違うんじゃないの」

「惑星の話は、やめて・・・私たちの子供よ、かぐやは。翔だってお姉ちゃんと呼んでいるし、」

かぐやには弟になるボクたちの息子7歳の翔がいた。
二人は仲が良く、よく遊んでいる。しかし、まったく顔つきと体つきが異なるので、必ず聞かれることがある。それは、それぞれお父さんとお母さん似なのね、ということだ。

かぐやは養女なんです、という説明も面倒だし、そんなこと言う必要もないと思っているので、そう聞かれたときはそうですとだけ答えていた。
本人たちも疑う様子はない。
しかし、かぐやには話さないといけないことではある。
悩んだ末、人からうわさ話にならないように中学へ入るタイミングで話そうと美加と決めた。

その日が来た。西暦2028年春。
12歳になったかぐやは、もうすっかりと大人の顔つきをしていた。
裸を見たわけではないが、きっと女らしい体つきをしているだろうことは想像できた。
ボクと美加の前に座っているかぐやに話しかける。

「来月から中学だね。おめでとう。お父さんからお前に話があるんだ。心して聞いて欲しい」

「はい、何でしょう?お父さん」

ボクは美加が泣いているのを見て自分も胸がつまされる気持ちになって来た。それを察したのか、かぐやは美加に気遣った。

「お母さん、どうしたの?かぐやのことで泣いているの?」

「ごめんなさい。あなたが大きくなったことで嬉しくて涙が出たのよ」

かぐやは自分のことで何かある、そう母の言葉で感じていた。