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藍城 舞美
藍城 舞美
novelistID. 58207
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入院中の話

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 スティーブンが入院して2日目。最初にお見舞いに来たのは、母のサラであった。
「おはよう、スティーブ」
「あぁ、母さんおはよう」
 病気のときは人恋しいのか、自分を訪れてくれる人が居て、スティーブンは何だかうれしかった。母親はベッドのそばにある椅子に腰掛けると、早速切り出した。
「夜はよく眠れた?」
「う〜ん、最初は傷が痛くてあんまり寝れなかったけど、メンバーとか家族のことを思い浮かべてたら、いつのまにか寝れた」
 スティーブンは、下方を数秒間見たあと、ちゃんと母のほうを見て答えた。
「そう。みんなに会いたいのかしらね」
 サラがそう言うと、困ったように笑って彼は返した。
「多分そうだね。さびしがり屋かな、俺」
 それを聞いて、彼女もほほ笑みを見せた。

 そのあと、母は話題を変えた。
「それで、ご飯はちゃんと食べれた?」
「うん。完食」
 予想よりも早く息子の体調が戻りつつあると分かり、彼女はほっとした。
「良かったわ、おまえが元気そうで」
「いやいや」
 スティーブンは照れ笑いした。

              (n*´ω`*n) (n*´ω`*n) (n*´ω`*n) (n*´ω`*n) (n*´ω`*n) (n*´ω`*n) (n*´ω`*n)

 しばしの沈黙のあと、サラが優しく言った。
「スティーブ」
「ん?何?」
「今回の病気はね、すごい痛みと苦しみがあったけど、神様がおまえに『休みなさい』ってくださったものだと思うの」
「神様がくださったお休みかぁ…(昨日のしんどさは普通じゃなかったけど)」
 そう言って、スティーブンはしばらく天井のほうに目をやった。
「そうよ。だから、ゆっくり休んでなさい」
「分かったよ、母さん」
 スティーブンはベッドの上に寝転んだが、急激に動いたので、手術したところが軽く痛んだ。
「いっ…」
 息子の様子を見た母は、しょうがないわね、と言うように苦笑した。

 
 出勤する母を見送ると、スティーブンはそおっとベッドに入った。そして、スマホでのネットサーフィンやオンラインゲームに興じた。昼食の時間まで、彼はこんなふうにうだうだしていた。
作品名:入院中の話 作家名:藍城 舞美