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過ぎゆく日々

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予見


 未来を予知できるような特殊な能力など持っていなくても、この冬はコロナで大変なことになるであろうことは、まだ暖かい頃から確信に近いものがあった。おそらく多くの人が思っていたことだろう。
 そして、心のどこかで、高止まりで推移しつつも、終息に向かってくれれば――そんな都合の良いように思っていたことも同じだろう。
 しかし、そんなわけにはいかなそうだ。やはり怖れていた兆候が現れ始めた。
 
 世の流れというものは、わかっていてもどうしようもできないことがあるのだろうか。戦争しかり、災害しかり。そして今回、現代の医療、科学を持ってしてもミクロの敵は強敵だった。
 
 今年の初めに始まって以来、数えあげられないほどの多岐に渡る影響、甚大な被害。出口はおろか、今がこの災難のどれくらいの位置にあるかもわからない。
 それでも、オリンピックを行う方向だというたくましさには、応援したい気持ちと、実現できなかった時の落胆、あるいは良くない結果を生み出した時の失望という複雑な感情が渦巻く。
 
 来年のことを言えば鬼が笑う――
 でも、来年の今頃はどうなっているのだろう、そう思わずにはいられない。

                        2020.11.22

作品名:過ぎゆく日々 作家名:鏡湖