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藍城 舞美
藍城 舞美
novelistID. 58207
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LOVE BRAVE外伝 第3話

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 LOVE BRAVE一行は岩がごつごつした洞窟のような場所に到着し、作者がメンバーの無事を確認した。
「誰も連れ去られていないようですね。良かった」
 次の瞬間、彼女は足元に転がるドクロとその下にX型に並べられた二本の骨を見て、
「いやっ」
 と小さめに叫んだ。フィルが尋ねた。
「どうした!?」
「あ、何だ、ドクロでした」
 ジミーが少し呆れたように言った。
「ドクロぐらいで大げさだよ、ミス・アイジョウは」
 すると、ヒューゴが淡々と言った。
「この場所、何日か前に夢で見たような気がする。それと俺の記憶が確かなら、この形に並べられた骨は、侵入者に死を警告するものだ」
 スティーブンが、おびえた目でヒューゴを見た。
「つまり、ここから先には進むなと…」
「ま、そういうこった」
 しかし作者のほうは、それほど深刻には考えていないようだ。
「でも、見たところ悪者は居なさそうですし、向こうのほうで何か輝いてますよ…!」
 作者が示した方向を彼らが見ると、確かに夜空の星のように輝く物体が幾つもあった。
「もしかすると、あそこに強いアイテムとか埋まってるのかも。行ってみよう」
 フィルはそう言うと、輝くもののほうに走っていった。
「私も行きま〜す♪私だって何かアイテム欲しいもん」
 彼に続き、作者もそこへ向かった。もちろん他のメンバーは2人を止めようとしたが、遅すぎた。
「責任はおまえら自身で取れ」
 ヒューゴがぼそっと言った。

 その直後のことだった。稲光が走り、何者かの姿を照らした。
「あら?今、何か見えませんでした?」
 フィルが、黙って二度うなずいた。
「見えた。何か人間っぽい。それも超でかいやつ」
 すると、再び稲光が走った。
「あれって巨人?…いやいや、巨人なんかこんな場所にいるわけな…」
 作者が否定した直後、三たび稲光が走った。LOVE BRAVEが目を凝らして見ると、いい体格をした上半身裸の巨人の姿がはっきり見えた。
「いや、これ巨人だよ…」
 ジミーが暗いトーンで言った。それと同時に、巨人はゆっくりと目を開けた。
「た、確かに巨人ですね…!目、覚ましたみたいですし」
 その巨人は伸びをしながら、大きな大きな口を開けてあくびをした。この音量がすごすぎて、全員が耳をふさいだ。
「俺、何日か前に本当にこんな感じの夢を見た!外見から見るに、こいつはエルバフの巨人以上に凶暴だ!」
 ヒューゴの言う「エルバフの巨人」とは、某コミックに登場する誇り高く好戦的な巨人族のことであるが、彼らは最終的に主人公たちと仲よくなるパターンが多い。しかし、今回の巨人はそんな話の通じる者ではなさそうだ。
「だったらすぐに逃げなければ!逃げれる場所、逃げれる場所…!」
 一方、巨人は完全に目を覚まし、数人の人間の姿を目にすると、鋭い歯をむき出しにして悪そうな笑みを浮かべた。

 作者が辺りをきょろきょろ見ると、何やら四角くなっている空間を見つけた。
「あっ、ここなら逃げれそう!皆さんこっちです!」
 作者は誘導しようとしたが、ジミーが先に彼女を空間に入れた。
(きゃっ、ジミー、男らしい)
 作者は少しだけキュンと来た。それはともかく、全員がその四角い空間に避難した。
「巨人に捕まったら終わりだ!みんな壁際に寄れ!!」
 ヒューゴが叫ぶと、全員そのとおりにした。まぶしく閃く稲光の中で、巨人は彼らに向かって四つん這いで動いた。
「…よし」
 フィルが指輪を巨人に向けたが、ヒューゴがその腕をつかんだ。
「やめとけ、フィル。変に刺激したら、向こうも本気出してくる」
「あ、そうか」
 フィルは手を下ろした。その横で、ジミーにしがみつくスティーブン。
「あ、アイテムが欲しいってことを伝えれば、何かくれるんじゃないですか…?」」
「や、ああいう巨人に『話し合い』って文化はないんじゃないかな」
「そんな…じゃあどうやって攻略するんですか…」
 巨人はついに腕を伸ばしてきた。
「もう無理〜〜!!お願いだから、扉閉まって〜〜!!」
 作者が叫ぶと、その叫びが聞き入れられたかのように扉が閉まった。全員、安堵のため息をついた。