小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

社会に不適合な二人の

INDEX|73ページ/91ページ|

次のページ前のページ
 

大凶を引き当てる強運


 近年、私と弟が親戚一家についていって三重県のなばなの里に行ったときのことです。
 その道すがらに岐阜におちょぼ稲荷と言う有名な稲荷神社があるので、ついでに参拝して名物の三角いなり寿司を買っていこうということになったのです。
 いなり寿司はわさびが効いていて、甘いお揚げにぴりっとした辛みが良く合って、二個も三個も食べてしまったのですが、
 参拝ついでに、おみくじを引こうと言うことになり、私と弟もおみくじを引きました。
 弟がおみくじの説明を読みながら、
「へー、ここ大凶あるんだ。」
「へー、あるんだ。ひいたりして。」
 おちょぼ稲荷のおみくじは、筒を振って出てきた棒の番号を確認して、板に書かれた番号表の番号を確認すると運勢が書いてあるという物です。
 弟が筒を振って棒を一本出しました。
「えーっと、この番号は……大凶?」
「だいきょー!?」
「うん…大凶。」
「うわーほんとだ、初めて見た。」
「どうしたらいいの?これどうしたらいいの?木に結ぶんだっけ?」
「確かに、結ぶと清められて悪いのが消えるとか聴いたことがあります。」
「じゃ結ばなきゃ。」
「でも、結ぶと書いてあることが叶うっていうのも良くききます。」
「じゃだめじゃん!どうしたらいいの?どうしたらいいの?」
「きっともうダメなんだよ。」
「まあどっちにしろ、紙じゃないから結べないけどな。」
「そうね、でも美味しいよね、大凶ひくとか。」
「本当美味しい展開だな。」
 親戚一家と大凶が出た大凶が出たとわいわい楽しみました。

 その後弟は親戚一同が名物のモツ串を買った食べ残りを押しつけられて、食べ過ぎで吐きそうな顔をしていました。
 その数日後に車のタイヤをパンクさせたりと、意外とおみくじは当たっていたのかもしれません。

――――
[なばなの里]…菜花の名前の通り花まつりとかやっている花のテーマパーク。光のお花畑は綺麗。
[おちょぼ稲荷]…正式名称、千代保稲荷神社、日本三大稲荷神社らしいです。
[大凶]…普通の神社はあんまりない。ある神社はそれだけ神様の力が強いのかもしれない。
[木に結ぶんだっけ?]…一連の流れは、あずまきよひこ先生のあずまんが大王のネタ。
[いなり寿司]…おちょぼさんは三角のいなり寿司、でも岐阜の多くは四角いいなり寿司らしい。
[モツ串]…ワンコインでカップに入った大量のモツ串を渡されて、一口食べれば噛み切れずにずっと口の中に残ってる、いつまでたっても食べ終わらない料理。


作品名:社会に不適合な二人の 作家名:春川柳絮