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HAPPY BLUE SKY 後編5-4

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いよいよ‥少佐が抱えている任務の終結です。



支部のデスクに次々と隊員からの連絡が入ってくる。前・デスクワーカーのトムさんが応援に駆け付けてくれた。またN国ファイン支部からも第2班・第3班の諜報部員が応援に駆け付けてくれた。私が所属するのは第1班だが、普段は第2・3班とは接触がないのだが、これもクラウス・デ・ウィル・ボンバード少佐の人徳だろうか?ジョン少佐・ダフリン少佐もその日の最終便で、C国に入国して少佐の代わりに陣頭指揮を取った。少佐は、もう現場に行って、大局面の【時】を待っている。

ジョン少佐は私の顔を見て手で呼んだ。
「クゥが見込んだ隊員だ。俺の期待にも応えてくれるか?それがクゥの為にもなる」
「はっ!カッジュ隊員頑張ります。何でもおっしゃって下さい」
私はジョン少佐の前で、直立不動の敬礼をした。
「よろしい!その心意気買った!ついて来い!君しかできない事だ」
ジョン少佐・ジョン少佐の第1TOP様について、私は部屋を出て行った。もちろん、少佐の許可を得てでの行動だ。

俺と第1TOPは3時方向から敵を取り囲んだ。ダフリン少佐は反対側の9時の方向から敵を取り囲んだ。もうすぐ‥あの建物の中からVIPエージェントが出てくる。こいつは2重スパイだった。何食わぬ顔をしてN国で陸軍大佐まで昇りつめ、資産家だった親の遺産を使いカンパニーを立ち上げた。軍人・社長として2面の顔を持ち、またライバルのD国に情報を流していたのだ。それも25年間もだ‥気がつかない上層部も上層部だが、これ以上我N国の情報を流される訳には行かない。何としてでも今日逮捕してやる。ファイン支部諜報全3班が一致団結した力を見せてやるからな!

俺は拳銃の弾丸をフル装備した。耳につけたイヤホンマイクから、次々に連絡が入ってくる。報告を判断をして隊員に指示を出した。また、カッジュが投入された事をジョン少佐からも報告が入った。
「クゥ!聞こえるか?ジョンだ」
「おぅ!聞こえるぞ。どうだ‥そっちは?」
「おまえが見込んだ隊員スゴイな。ラガーマン並みの大男を蹴り一発で失神させて、あれは特殊警棒かな?すごい威力だぜ!おぉ!!今度は両足でジャンプして、大男の脳天にチョップ入れたぜ!」ジョン少佐の嬉しそうな声が聴こえた。

横で聞いてたアーノルド主任達は顔を引きつらせていた。
「か‥カッジュはパワー100%かよ」
「イヤ‥200%だ。俺は今日、アイツに無制限を言い渡したから」
「し‥少佐!何て恐ろしい事を‥敵さん全員病院送りにするぜ。アイツ」
「かもな!さて‥行くぞ」
俺達は防弾チョッキを2重に着込んで、部屋を出て行った。

NATOC・ファイン支部の諜報部全3班で一斉に敵国のエージェントを捕獲した。2重スパイのヤローは、この捕獲作戦を察知したのか逃げる算段をしていたようだ。またそれに手を貸したのが、俺の天敵とも言えるK国のハゲタコのオッサンだ。また同胞のキツネヤローも手を貸した。それを見つけたのがカッジュだった。カッジュは敵国エージェントを捕獲した時に、車のミラーに映った2重スパイとこの二人の姿を確認したのだ。俺のイヤホンマイクにカッジュの声が聴こえた。
「少佐ッ!社長とハゲとキツネがVANに向かって走ってます。指示下さい」
「何だと!カッジュ!今何時の方向に居るんだ?俺も行く!それまで手を出すな!わかったな」
「はい!6時方向200mです!了解しました」
俺とTOP4人は一斉に走り出した。

少佐の足なら2分もかからないだろう!でも‥間に合うだろうか?あのオジさん達、デッカイ図体して、意外と走るの早いじゃないの?ワンクッションして足止めしないと、逃げられたら、今までの少佐の努力が水の泡になってしまう。私の横にはジョン少佐の第1TOPのウィル主任が居た。
「3人とも大物だからな!3人とも逮捕できたら、スッゲェ収穫になるぞ。クゥ少佐やうちの少佐も中佐に昇格できるかもよ。カッジュ‥どこから攻める?俺は右横からにする」
「ちょっと待って下さい。何か3人のカッコに違和感があるんですけど」
「うん?」ウィル主任が目を凝らした時だった。

ハゲタコのオッサンがスーツの中に隠していたマシンガーを乱射した。私とウィル主任は咄嗟に伏せた。私達はヤツらに見つかったのかと思ったが、どうやらそれは違った。ある男が3人のすぐ横の路地に身を隠していた。またこの男はどうしてこんな時に出て来るの?その男は散々、少佐の仕事の妨害をした盗賊のリーダーだった。妨害の理由は「少佐にかまって欲しい」からと言う、フザけた理由だ。私はこの3年間でこの男を3回ほど捕えて、顔面や腹部に蹴りを入れた事がある。でもそれでも懲りないんだ‥この男は!

もう‥少佐の来るのを待ってられない。私は地面を這って、あのバカ男を3人から遠ざけようとした。じゃないと‥大惨事になってしまう。マシンガーをこれ以上乱射されたら、ポリスも介入してくる。事態は非常にヤバイ事になる‥ウィル主任もそう思ったのか、私に目線でうなづいた。私達がほふく前進で、地面を這い男に向かった。足を掴んで地面に引き倒して、路地でボコボコにしてやる!私は怒りの気持ちで一杯だった‥この男のせいで少佐の努力が水の泡となる可能性があるのだ!絶対‥させるもんか!ウィル主任も同じ気持ちだ‥瞳は怒りに満ちていた。

俺はイヤホンマイクでカッジュに呼びかけた。
「カッジュ!3人はどうしてる?カッジュ!聞こえないのか?」
呼べばすぐに応答してくるカッジュが返事をしない。これはおかしい‥俺はTOPにうなづいた。TOPは左右に別れて目的地に走って行った。イヤホンマイクから何かを引きずる音が聴こえた。
「今のは何の音だ‥カッジュッ!何かあったのか?」
「し‥少佐ぁ!」カッジュの声がイヤホンマイクを通して聴こえた。

俺が目的地の到着した時には、路地裏で男が口から血泡を吐き、腹を蹴られたのか体を丸めて唸っていた。カッジュとウィルの姿は見えなかった。俺は男の胸倉を掴んで、手で男の横っつらを思いっきり張り飛ばした。
「テメェ!どういうつもりだ!!カッジュとウィルはどうしたんだ?返答次第で、てめえのご自慢の顔が吹っ飛ぶぜ!吐け!」

男は俺の剣幕に恐れをなしたのか、またカッジュとウィルに殴られた傷が痛むのか、言葉途切れに話し出した。
「何だと!!おまえが3人を捕まえて俺達NATOC軍に引き渡す?ざっけじゃねぇぞ!!誰がそんな事を頼んだ?カッジュとウィルはどこに行ったんだ?」
男は震える指で上をさした。男が指をさしたのは、ビルの螺旋階段だった。
作品名:HAPPY BLUE SKY 後編5-4 作家名:楓 美風