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HAPPY BLUE SKY 中編

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私は飛行機に乗る前にボスにお土産を買った。もちろん、TOP様・先輩達・ミラド先生の分も忘れずに買った。M国に入国する前に、ボスには大好きなサブレをBOXで買ってもらい、【1日3枚まで】とお約束させられたが。毎日そのサブレを食べながら、ボス達は今頃どこにいるんだろう?任務は上手くいってるのかな?色んな事を思いながら、サブレを食べた私だった。自分が決めて選手に復帰したが、寂しい時があった。そんな時には、ボスやTOP様・先輩達にメールを送ったものだ。返信が来た時は嬉しかったな!特にボスの返信を楽しみにしていた私だ。ボスは私を食べ物で釣るからな!でも‥それが嬉しい私だったけど。

バスの窓からファイン支部の建物が見えてきた。6Fの部室にライトがまだ灯っている。私はライトの点いている部室を見て顔がほころんだ。バス停から降りて、特大スポーツバックにキャスターに乗せたトランク・背中に背負ったリュック・両手にもったお土産の入った紙袋を下げての大荷物の私だが、6Fの部室に向かって歩き出した。

ドアを開けたら、ボスがデスクの上で肘をついて居眠りをしていた。先輩達は見当たらない。外で仕事中だろうか?宿直の先輩は休憩中かな?だからボスが留守番なんだろうか?

「おまえはご挨拶もナシに口に出る言葉は【おなか空きました】か?」
怒るボスの声に、TOP様や先輩達の笑う声が部室に響いた。
「はいぃ‥もう飛行機の中でずっとガマンしてたんですよ。サブレ5枚とカフェオーレで。もうカッジュはメチャメチャおなか減ってますよん。ボスぅ!お約束ですよ!」
「あぁもう‥わかったぁ!わかったぁ!何が食べたいんだ?」
「はい!表通りのファミレスがいいです。大盛りのカルボナーラとミックスサンドウィッチにクリームコロッケにシーフードサラダに特大チョコパフェとぉ!レジの横にあるクッキーの詰め合わせが食べたいです」
「食い過ぎだ!また腹が痛くなるぞ。カッジュ」
また俺は【カッジュのパパ】をしてしまった。その声に、部員達は口を開けて大笑いしたのは言うまでもない。

カッジュは俺の車のセカンドシートで眠っている。ファミレスで腹一杯食べて、ご機嫌でM国で参加した強化合宿・試合の事を話し、滞在中にデジカメで撮ったショットを俺に見せてくれた。カッジュは海外遠征に行く時の楽しみが【カメラ】だった。最近では、デジカメと一眼レフの両方で撮影し、俺達に見せてくれる。またこれが中々いいショットなのだ。カッジュは支部に居る時、よく昼休みにカメラ雑誌を見ていたな。NATOCに入庁してから、月々の給料の中から積立をして今持っている一眼レフを買った。買った時のカッジュの顔が俺は今でも忘れられなかった。カメラは俺の大学時代の同期が勤めているショップで買った。その時、俺も一緒について行った。カメラの入った紙袋を嬉しそうに持っていたな。カッジュはそりゃカメラを大事に大事に使った。

コイツは警戒心はないのか?仕事中はこんな事を思いやしないが、今は仕事外だ。無防備に寝やがって。俺も一応男なんだけどな!コイツ‥そんな事思ってもないよな。安心しきった顔で寝ているカッジュだから。
作品名:HAPPY BLUE SKY 中編 作家名:楓 美風