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ゴースト・ワイフ

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現実的には信じられなかった僕だが、この奈央が書いた文章は信じた。ふたごの翔太と沙希はこんな字が書けない。僕は寝室に飾ってある奈央の遺影に話しかけた。
「信じるよ‥姿は見えないけどさ。僕だって山ほど君に聞きたいことがあるんだ。10分しかペンが持てないんだろう。僕が聞きたい事書くよ‥回答だけ書いてくれ。そうしたら時間短縮されるじゃないか。待っててくれ‥子供達にさりげなくリサーチかけるからさ」

智が私の遺影に向かって話しかけているのを、天井から見ていた私だった。
「ありがとう‥信じてくれて」私は流れる涙を指で押さえた。

その日から、僕はまず聞きたいことを整理してノートに書き留めた。またふたごにもさりげなく聞いた。
「もしさ‥ママに聞きたいことがあったとする。それって何かな?パパが帰って来るまでに宿題にしておくから!これに書いててくれ」
ふたごにノートを渡した僕だ。また僕も思いついた事をノートに書き込みまとめていった。

このノートを作成している時に思ったのだが。主婦って大変な仕事なんだな‥と思った。
毎日同じ事の繰り返しだと思っていたが。同じ事の繰り返しではなかった‥それを痛感した僕だった。それはふたごの体調だ‥うちのふたごは二卵性双生児だった。今は体も成長に従い少しずつ丈夫になったが、それは母親の奈央が毎日の健康管理をしていたからだ。

奈央のメモパッドに書き込みがあったの。僕がノートにまとめた質問事項の回答を書いてくれた。また僕は回答方式を【はい・いいえ】の丸囲み選択にして、僕が予想した答えも書いた。正解だったら○を入れ、×なら奈央に書いてもらう形式を取り入れた。その回答方式は当たりだった。僕が思っている以上に奈央の書き記したいことが書けたようだ。

子供達には、また宿題を出した。奈央に読んでもらいたくて作文を書かせた僕だ。初めは不思議がっていた子供達だが、僕は理由をいくつかつけ書かせた。また‥僕は奈央にお願いをした。読んだら感想ではなく‥子供達の好きな「お花マーク」を作文に描いて欲しいとメモパッドに書き残した。お花マークなら数秒で書けるし、また奈央も読むだけならいつでも読めるから。そうして3回‥奈央と文章のやりとりをした。もう後1回しかチャンスがない。僕はその日1日考えた‥このラストチャンスをどう生かすか‥
作品名:ゴースト・ワイフ 作家名:楓 美風