小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

ネットラブ…して変わった私

INDEX|15ページ/18ページ|

次のページ前のページ
 

思わぬ結末‥その3



夫はまた黙り込んでしまった。この人はそうだ‥相手が感情的になると黙り込む。私は落ち着く為に軽く息を吐いた。ここで私が感情的になったらこの人はまた黙ってしまう。

「ゆっくりでいいから‥話してくれない。私待ってるから」
この言葉に、夫は目を見開いた。以前の私ならすぐにキレて機関銃のようにしゃべると思っていたみたいで。私は夫にうなづいた‥
「美菜子‥変わったね」私はまた夫にうなづいた。
夫は自分の顔の前で手を組み‥少しずつ話し始めた。

「美菜子さ‥介護ヘルパーの仕事辞めてからネットにハマっちゃっただろう。介護ヘルパーの仕事好きだったのに。何で辞めたのか‥辞める時に相談してくれなかったよね」
「うん‥あなたには体力的にきついから‥そう言ったわ。辞めた理由はね‥」
私は夫に話し出した。

私はネット依存症になるまで、介護ヘルパーの仕事をしていた。結婚と同時にホームヘルパーの資格を取りに講習に通った。資格を取って近くのディケアサービスに就職したのだが‥私が甘かった、考えているよりヘルパーの仕事がキツかったのだ‥体力的にもだが、精神的に辛かった。
「美菜子‥段々眉間にシワ寄ってきてさ。何か気分転換にならないかと思って、俺のお古のノートパソコン美菜子に渡しただろう?1年前に」
「うん。新しいノートパソコン買ったんだよね‥よかったら使わないって」
「うん。俺さ‥その時は軽く考えていたんだ。美菜子の気分が少しでも軽くなればって。でもそれがいけなかったね。美菜子は俺の予想以上にパソコンにハマっちゃったし」

そうなんだ‥私は夫からもらったノートパソコンで「ネットデビュー」したのだ。それまで私はパソコンには興味がなかったのだ。ノートパソコンを使い始めは夫に横についてもらってたな。何回か教えてもらったら自分で操作できるようになった。それからだ‥
私のネット依存症になったのは‥

「最初はそんな美菜子を見てて‥あぁよかった。眉間のシワが取れたって喜んださ。でもな‥俺が教えたゲームの中にアバターがあったろう。アレにハマったんだよな‥最初は無料でもらえるアイテムで遊んでて。でも‥美菜子は有料のアイテムをゲットした時に」
私はうなづきながら‥

「そう‥ネットバンク持ってたら便利だよって。あなたが言って私はすぐに口座開設したもんね。お金は介護ヘルパーのお給料の残りだったけど。それでね‥レアアイテムを身に着けて広場に行ったら。最初のお友達ができたの‥」
「その人が前話してくれた‥たっくーっていう人?」
「うん。最初の頃はあなたに話してたもんね。こんな話したんだよって」
「そうそう‥でもそのうち話さなくなっちゃったよね。美菜子」
「途中で、私の話に飽きちゃったでしょ。だから話さなくなったんだよ。私」
「うん‥それでね。俺は俺で1人の時間楽しもうと思ってさ。美菜子と同じサイトで遊んだんだ。最初は1人でコツコツとシュミレーションゲームして遊んでた。でも俺も美菜子と一緒で、1人のアバターさんと友達になって仲良しになったんだ」

私は‥胸に手を当てて夫の次の言葉を待った。