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松山 邦治
松山 邦治
novelistID. 62954
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イロイロ学園!

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<プロローグ>
 暖かい陽の光が差し込み、風に吹かれた桜の花びらがひらひらと舞う季節。 誰しもが新たな場所に立ち、新たな出会いに胸を高鳴らせる季節。それはここ、私立「丘の光高等学校」でも同じであり、校舎には続々と新入生が昇降口に貼り出された新クラスの紙を見て、各自の教室へと向かっていく。そんな春の風物詩ともいえる中に、一人、異色を放つ者がいた。その者の名は「灰崎 治」。彼は周りが希望に溢れ、希望の「色」で輝いているにもかかわらず、なんと真逆の「灰色」を放っていたのだ。さて、そんな彼がこれから送る「高校生活」、いや、「灰色の高校生活」はいったいどうなることやら・・・。

<第1話 「はじまり」>
 治が新クラスである1年5組の教室に入ると、すでに大半の席が埋まっており、急ぎ足で自分の席へと向かい、着席した。それからしばらくすると、担任らしき人物が教室へと入ってきて簡単に自己紹介を済ませ、入学式会場である体育館へと案内を始める。そして、体育館前に並ばされると、入場行進曲が流れ、入学式が始まった。
 ・・・校長の中身のない長話を聞き終え、入学式が終わると再び自教室へと戻された。
この時点で治は疲れていた。なぜなら、新入生の教室は5階で体育館は2階にあり、往復しなければならないからだ。加えて、校長の長話と相まって体育会系ではない治にとってみれば、拷問でしかないのだ。しかし、それを口に、表情には出さないのが治という人間なのだ。
 そんなことを露知らずの担任はHRと称して、クラス全員の自己紹介を促した。これに乗り気な者、その逆の者の声が教室を飛び交う。言うまでもないが、治は後者である。
 ・・・「わ、私の名前は野山 碧です。みんなと仲良くなりたいです、お願いしましゅ。あっ///」
「ハハハ」という笑い声や「かわいい」などといった声たちが教室を飛び交う。しかし、治だけは真顔で黙っていた。一見どっしり構えているかのように見えるが、ただただ緊張しているだけなのだ。治の前の席の女の子の自己紹介が終わると、席を立ち、「え~僕の名前は灰崎 治です。お願いします。」・・・(うん。我ながら普通の自己紹介だ。完璧だ。)と心の中で酔いしれながら席につく治であった...
 自己紹介が一通り終わると担任が明日の諸連絡を伝え、HRはお開きとなった。すると、周りが疲れからなのか、ため息などをつく者がいた。一方、高校生活の初日を無事に終え、治は帰り支度をして教室を出ようとした、そのとき
?「あっ!灰崎く~ん、待って!」と呼び止められた。振り返るとそこには、薄く茶色がかったショートヘアの女の子が立っていた。「えっと、お名前なんでしたっけ?」と治は尋ねる。
?「ひどいなぁ、もう。」とその女の子は少しだけ拗ねてしまった。「すいません。人の名前を覚えるのが苦手で・・・」と治は即座に彼女をフォローする。すると、「もう~しょうがないから許してあげる私の名前は峰 梓茶。よろしくね、灰崎くん!」   つづく・・・
作品名:イロイロ学園! 作家名:松山 邦治