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藍城 舞美
藍城 舞美
novelistID. 58207
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謎の宝箱

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 遠くない過去の日、どこかの土地でのこと。ヨシユキ一行は、草原で大・中・小の宝箱が、全部で八つあるのを見つけた。初めに宝箱に手を着けたのは、ゲンだった。彼が一番左にあるミドルサイズの宝箱をよいしょっと開けると、日本製のカップ麺が5、6個入っていた。彼は目を丸くした。
「こんなものが入っていたんスね。これら、俺がもらっていいんスよね」
 仲間たちは一斉にうなずいた。

 次に、トシロウが左から2番目にあった、ゲンが開けたものより一回り小さいサイズの宝箱を開けてみると、その中には黒トウガラシやサンショウ、白黒のコショウ、タイムといったスパイスの瓶詰が数本入っていた。
「何だか微妙だな、この品…」

 それから、スズコがその隣のミドルサイズの宝箱を注意深く開けた。その中には…ラベンダー色の石けんと白いタオル、そして花をかたどったパステルピンクのスポンジが入っていた。彼女はクスッと笑うと言った。
「かわいい品物ね」

 今度は、ヒロシが左から4番目にあった、左端にあった箱の2倍の大きさの宝箱をゆっくり開いた。すると、中からムカデ、カマキリ、クモ、黒光虫(ゴ○○リのこと)が出てきた。彼は
「どわあああ!!」
 と叫ぶと、だーっと走って頭を抱えてしゃがんだ。そのざまを見て、仲間たちは苦笑いしたり、無表情にヒロシを見つめた。

 そして、マイミが、右から4番目にあるミドルサイズの宝箱を手に取った。
「何が入っているのかしら…」
 彼女はニンマリした。中身がどこかの童話に出てきそうな魔法のランプや、クリアな輝きを放つガラスの靴だったら私、舞い上がっちゃうわ…。マイミはそう思っていた。しかし中身は、ウイスキーの入ったガラス瓶1本と、ソーダの入ったペットボトルだった。
「何だ、ハイボールを作るセットかぁ」

 その次に、トモアキが右から3番目の小サイズの宝箱を持ち上げた。それは中から冷えているらしく、ひんやりしていた。それをぱかっと開いた。宝箱の中には、アイスクリームが、大量の氷に囲まれて詰まっていた。しかもご丁寧に、プラスチック製のスプーンが1本、箱の底にへばりついていた。これを見たトモアキの目はきらきらしていた。
「俺これ好きなんだよ」
 彼はそう言うと、スプーンを取り出し、ふたを開けて幸せそうに食べ始めた。

 そのあと、ヨシユキが右から2番目にある、一番大きな宝箱のふたを開けた。その中には、お菓子の詰め合わせが数袋、おいしそうなハンバーガーが2、3個、中国茶の詰まった瓶が2、3本入っていた。言うまでもなく、彼は大喜び。
「あ、うまそう」
 ヨシユキもハンバーガーの包装を取りはずし、おいしそうに食べ始めた。

 最後に、スギヒロが右端にあったミドルサイズの宝箱を開けてみると、その中身はまさかのものだった。…それは大量の女性用ランジェリー、それもかなり派手なものばかりだったのだ。トシロウ、ゲン、スズコ、マイミは必死で笑いをこらえた。スギヒロは唖然としたが、その顔は赤くなっていた。ただ1人、ヒロシがうらやましそうに彼を見つめていた。
「…だ、誰か、俺のと交換してくれ……」


                                ― Fin ―
作品名:謎の宝箱 作家名:藍城 舞美