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月とコンビニ
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憂鬱、消失、そして驚愕と絶望

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憂鬱、消失、そして驚愕と絶望
【著】松田健太郎
●登場人物
◯院西高一(いんざい・こういち)
◯吹木あやか
◯ミリア潤
○樋口さゆり
○麹町氷玲
○場腹ニース
○代田ピンク
○留美一美
○軽原泉
○藤田実伊香
○何茂女科
○金元白菜
○花焦礼
○玉瀬桜
○白洲純子
○中学史香
○望彩芽
○面堂新子
○雲井爽子
○新原鯛子
○酒蔵朱子
○神埼原ねねこ
○埴原泡姫
○綿飴杏里
○牙城ルミ
○ポンセキ・赤愛
○浦東美女
○罰場潤美
○水見屋良遠恋
○蓮蓬莱
○小鬼福
○黄地深夜
○真夜中満散
○卦鞠エマ
○奴保泰菜
○道薫
○芹沢十六夜
○熱教寺ねねね
○旧世久日
○箕形可露里
○場堂素肌
○肉肉妖美
○五億天
○拝藤歌亜美
○折砂音
○紅栗アサヒ
○ミカエラ・フリューゲル
○ポウプ・梨里
○谷田チコ鳴海
○髪毛里依紗



【1】

高一   ごめん、あやか。
あやか   ……なんで、なんで謝るの。
高一   ……ごめん
あやか   他に好きな人……できた?
高一   あやか……。
あやか   帰るね。……ちょっと待ってて。
高一   なにするんだ?
あやか   うん、ちょっと。

あやかは自分の指を切って壁に擦り付けた。

高一   お、い……何して
あやか   うん? 私の印、この部屋に残しとくね。
高一   やめろよ……
あやか   こうちゃんも残しとく?
高一   ……もう会うことはないよ。
あやか   そっかぁ、じゃあ……ばいばい。
高一   ……。
あやか   えへへへ。

 あやかは家を出ていった。

高一   泉。あやかは振ったよ。

 ベランダから泉が出てきた。

泉   がんばったねっ、高一!
高一   あぁ。なぁ、泉、少し話があるんだ。
泉   え、なになにぃ? そんなことよりさっきさっ
高一   別れてくれ。
泉   でさ、なんでそんなことしてるのって聞いたら
高一   泉。帰ってくれ。
泉   やだよ……
高一   じゃあな。
泉   やだよ! やだ! 許さないよ!
高一   帰れよ!!

 高一、泉を追い出す。

泉   絶対連れてくから!

 トイレから深夜が出て来る。

高一   深夜か。
深夜   どういうこと? なに? さっきの女。
高一   おまえが一番だって言ったろ? 気にすんな。
深夜   信じられない……
高一   は? だったらもう俺に関わんなよ。
深夜   え? そういうつもりじゃ
高一   信じられねぇんだろ? だったら出てけよ。
深夜   う、うそだよ、信じるよっ
高一   もうおせーよ。
深夜   い、いたいっ、おさないでっ

 深夜、指輪を落として追い出される。
 キッチンの下から可露里が這い出てくる。

可露里   高一~、これ、みてぇ、また血がいっぱいでてくるのぉ
高一   またリスカかよ。
可露里   なめてぇ
高一   ……
可露里   高一……?
高一   ……
可露里   死んじゃうよぉ。
高一   ……
可露里   ねぇねぇ、いっぱい切ったよぉ~。
高一   もうやめてくれ……見たくない。見たくないんだよ! うんざりだ!
可露里   こ、ういち?
高一   別れてくれよ。帰れ。
可露里   足りないの? もっと切ろうか? もっと切るから、捨てないでっ

 可露里を追い出す。
 こたつの下から爽子がでてくる。

爽子   ばぁっ。
高一   うおっ
爽子   誕生日おめでと
高一   え? まだ先だけど。
爽子   待ちきれなかったの。
高一   これは?
爽子   さぁ、なんでしょおー
高一   でも貰えないよ。
爽子   なんで?
高一   実は俺
爽子   私が浮気相手だから?
高一   へ? 爽子、おまえ
爽子   知ってたよ。他に女がいること
高一   なんで?
爽子   いっぱいね、集めたよ。
高一   なに、を?
爽子   はい、プレゼント。だよ。
高一   中身は……?
爽子   なんでしょおー。
高一   おまえ、その右手、どうした……
爽子   えぇー? 高君にフラレてからがんばったんだよぉ?
高一   え? 誰だよ。
爽子   忘れたの? 爽子のこと忘れたの?
高一   は? だって顔が……
爽子   えへへ、また、顔変えなくちゃ。

 爽子部屋を出て行く。
 クローゼットからエマが出て来る。

エマ   家に帰して……
高一   エマ、か? なんで、ここに……
エマ   見えないよ……眼が痛いの
高一   来るな……付き纏うなぁぁ!
エマ   高一の声が聞こえるよ?
高一   ひっ……なんで、いるんだよ……
エマ   高一、私まだ親に紹介してないじゃない……
高一   くるなぁぁ!

 エマをベランダから放り投げる。
 タンス、冷蔵庫、シューズラック、天井、ソファの下から次々と女の子が現れては高一に振られ続ける。
 部屋には女の子一人一人が残していった物が溜まっていく。

高一   終わらない……

 着信音がなる。その数がどんどん増えていく。いろいろな場所から聞こえてくる。
 着信音がうるさい。
 近くで見つけた電話を拾ってみる。電話に出る。音が一斉に止まる。

電話   外を見て。

 高一、ベランダから外を見る。腰を抜かして震える。