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股野 特大
股野 特大
novelistID. 38476
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私は夢見る夢子 エッチな夢を見る

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秋が過ぎ、冬になると彼は街の繁華街でバーテンダーのアルバイトをやり始めた。
だけど、彼の仕事は夜の勤務。
私が部屋に帰ってくると、もういない。そして、朝方に帰ってくる。
出勤前だし眠たい目をこすりながら私は彼に朝から激しく抱かれた。
だけど、数回、朝帰りどころか帰って来ない日もあった。
浮気してるんじゃなかろうかと問いただすと、酔ったまま男友達の部屋で寝ていたと言う。
私は信じるしかなかったけど、心のどこか不安を感じてた。


うちの母は「男なんて我がままがかっこええのよ」と言ってたが、どう見ても父に耐えていたとしか思えない。
私は古風な昔の女じゃない。
ずっと、すれ違いでほっとかれる生活にその内、耐えれなくなった。
浮気してようが、してまいが、好き勝手にやってる男を私は恨んだ。
好きだけど、嫌い。
嫌いだけど、好き。
この狭間で私はもがき苦しんだ。

そして、こんな生活嫌だっ!と発作的に、彼の荷物を全部、玄関に放り出し鍵をかけた。

翌日、目が覚め玄関のドアを開けると荷物はなくなっていた。
彼の車もなかった。
怒りもせず、何にも言わずバイバイしていったようだ。
泣きたかった。

それから私はしばらく放心状態で過ごした。
一人の部屋が淋しかった。
南側の出窓から見える大きな木が新緑をつける頃、私はそのアパートを引き払った。
そして、田舎に戻った。



一人でお酒を飲みながら、デジャブのように「あの頃」を思い出した。
そして、その夜、彼の夢を見た。



俺様海ちゃんはあの頃とおんなじまんまの姿だった。

「帰ったよ」
私は何十年ぶりかの彼の帰宅に心が躍った。
足には砂もついてなければ、ちゃんと革靴を履き大人らしい格好をしている。
「ちゃんと、就職して来た」
私は「ばかね・・・。海ちゃんらしくないじゃない」と言った。

「やっぱ、俺も大人になったし・・・」
「大人じゃなくてもいいのに」
「あっ、これ返すよ」そう言って、海ちゃんはポケットから500円玉をジャラジャラ出した。
「何?」
「貰ったお小遣い」
「いらないよ、ほんと、いらないから・・・。気にしてたんだ?」

「・・・・ありがと、助かったよ。あの頃は」
「返さなくてもいいのに」

「ごはん食べさせてくれないか?」
「いいよ。あがって」
海ちゃんが靴を脱ぐと、砂がサラサラ玄関に落ちてきた。
「海に行ってたの?」
「いや、行ってないよ」
「嘘つきっ!」
「へへっ、ばれたか・・・」そう言うと私に飛びかかり、胸を遠慮なく揉んで来た。

笑いあう二人。
甘い生活だ・・・。

私はベッドで少し大人びた彼に抱かれた。
私のあそこをもてあそぶ彼がいじらしい。

「あっ痛ててて・・・」
「どしたの?」
「あそこが痛い」
「大丈夫?大事にしてね。そこは大事なところだから。私だけのもんだから・・」
「あぁ、わかったよ。愛してるよ」
「海ちゃんが死んだら、私も死ぬから」
「なんだよ、それは浪花節か演歌だろ?似あわね~よ」
「ホント、死んだらヤダよっ!」
「いっ痛てててて・・・」苦しむ海ちゃんを見て私は裸のまま彼の背中をさすった。
「大丈夫?」
「平気、平気。ここをやられたら大事なヒモ家業も出来ね~しな。心配するな」
強がりの俺様海ちゃんが精一杯の笑顔を作る。
私は泣いていた。


そして、ゆっくり目が覚めても泣いていた。

「海ちゃん・・・・、おかえり・・・・」


私は夢子。時々シュールな夢を見る。


(つづくよ^^)