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神の試し

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「私を殺して!!早く!!」
お母さんは、こう言った。

「どうしてこんなことしなくちゃいけないの?
「どうしてこんなことになったの?
僕は、こんな事態になった理由を考えた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーー事件発生、X日前ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

深夜3:00
僕とパパとママは、一緒に寝ていた。
僕は、なぜか寝苦しくて起きていた。
でも、隣で寝ているパパ達を起こすのは忍びなかったので目をつぶって眠りに付くのを待っていた。

そんな時に、玄関口から、「カチャっ」という音がした。
鍵が開いたたのだ。僕は、怖くなって、パパ達を起こそうとした、その時

扉が強く大きく開く音が聞こえ、走る足音が聞こえてきた。。
誰かが、僕達の部屋に入ってきたのだ。
入ってきた人は沢山居た。顔は見ると、それは天狗だった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
気が付くと、僕は、大きな部屋に居た。
何も無い部屋だった。
壁は金属で、まるで、四角い箱の中にいるようだった。

僕は、そこで一人だった。
パパやママに助けを求めるが返事はない。
パパ・・ママ・・一体何処にいるの?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーー父目線。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
気が付くと、私達は、大きな部屋に居た。
壁は金属で、まるで、四角い箱の中にいるようだった。
足元を見ると、ピストルが落ちていた。
私は、びっくりした。と共に思い出した。

部屋に変な、天狗のような人たちが入ってきたのだった。
その天狗達は、私達に、何かをかがせた・・・
これは、夢じゃない。自分をつねれば、痛みも感じる。
ママも理解したようだ。
私達が誰かに監禁されてしまったことを・・・

息子は何処にいった?
息子は何処にもいない。
叫んでも、返事もなにも、聞こえない。
私は、壁を叩いてみた。
もう一度叩いた。

叩いた壁の向こうから、壁を叩くような音がする。
「息子が壁の向こうに居る」。
私は、そう確信した。

壁は頑丈だった。
ピストルの玉もはじき返された。

途方にくれた私は、ふと足元を見ると
紙切を見つけた。
紙切れには、こんなことが書いてあった。

ーー紙切れの内容ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あなた達は、神に選ばれました。
これから神に試されます。
では、神の命令です。
殺し合いをしてください。
どちらか生き残った方を助けます。
息子さんに会えます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
嘘だと信じたかった。
こんなことをされる理由がない。
恨まれる心当たりなど無い。
妻だってそうだ。
私達は、断言できるくらいの、平凡な家庭だ。

私達は、声を張り上げた。
助けを求めた。金なら犯人に全財産を渡す。命乞いもした。
だが、何も返事はなかった。

時間がだけが経っていった。

犯人は、本当に殺し合いが目的なのか?
だとしたら、殺しあうことをどこかで監視しているのか?
だとしたら、天井にカメラでも付いているのか?

私がいろいろ考えていると、突然、地震が起きた。
地震と共に、壁が動いた気がした。

しばらくすると、また、地震が起きた。
そして、壁が、動いた。

地震は、その後も続いた。

壁は、私達の方に迫り。
押しつぶそうとしてる。
このままでは、何もしなくても、2人とも死んでしまう・・・

壁の向こう側から、激しく壁を叩く音が聞こえた。
その激しさは、強さを増している。

息子の部屋もここと同じ構造だったら・・・
ぐずぐずしていられない・・・・

私は、、妻にピストル渡して、撃つように命じた。
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ーー妻目線ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
私は、撃った。殺した。
沢山迷って苦しんだけれど、それしか方法が無かった。

死ぬならパパが自分で死んでくれれば良かった。
けれど、パパは、断固拒否した。
「小さな望みでも賭けたい。
「犯人の意思を害するのは危険。
パパは、そう言って、私を説得した。

パパの努力が実るかのように、私は、息子と対面できた。
だけど、ここから、どうればいい。。。

息子の居る部屋でメモを見つけた。
そこには、息子と『殺し合え』という命令が書いてあった。

『殺し合い』なんて、無理だ。
あの子をどうやって説得したらいいの・・・
時間はもう無い、考えている暇はない。
必死であの子に、私を殺すように説得した。
だけど、あの子は、泣くばかりで言う事を聞いてくれない。

壁はどんどん、迫ってくる。
あと、10分もあれば、私達は、身動きが取れなくなってしまう。
そうなったら、手遅れだ。

嫌だ。・死にたくない。死なせたくない・
私は、気が動転して、泣くくばかりで、思考回路が回らない・

お願い。殺して。早く殺して。
私は我を忘れて、子供に言い聞せた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーー僕目線ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ママは、僕を叩いた。
だけど、僕は、ママを殺せない。
ママは、僕を、何度も何度も叩いた。
だけど、僕は、ママを殺せない。
ママは、僕を、殴った。強く何度もなぐった。
でも、僕は、引き金を引けない。

僕は、おなかを殴られた衝撃で、ゲロった。
それを見たお母さんは、謝り続ける。

ママのグーパンチは、痛かった。
僕の歯は折れてしまった。血がドボドボ出る。
それを見たお母さんは、発狂した。狂って変になった。

見たことないママだった。
苦しそうにもだえくるしむママを僕は、どうすることもできない。
ママは、「早く殺して」それだけを連呼していた。
ママは、次第に自分を傷つけはじめた。
ママは、自分自身の髪の毛を引っ張り、皮ごと裂こうとした。
もうこんな、変なママは見たくない。怖い。

「撃てばいい」
そう思って、引き金を引こうとしたら
ママは笑顔になった。

やっぱりママには、撃てない。
僕は、ママと一緒に死ぬ事を決意した。
作品名:神の試し 作家名:西中