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全人類地獄召喚

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全人類地獄召喚

本文
人類は地獄に召喚された。江戸時代の地獄絵図にある様なあのヤバイ感じの地獄である。
召喚された際、99.9%の人間が死んだ。50億人くらい死んだ。
殆どの人は高い場所から召喚され、上空1kmから落下し、地面に激突して死んだ。
だが落下の際にスカイダイビングの様な姿勢で体の空気抵抗を増やしたりして、落ちる時間を稼いげた者は、先に落ちた死体の山がクッションになってりで助かったりもした。
マグマの川に落ちた人々の死体がクッションになり助かったケースもある。大きめの剣山に刺さってる人に捕まり、落下スピードにブレーキをかけて助かる人もいたりした。

助かった人間にも地獄が待っていた。鬼に捕まると頭からかじられるか、殴り殺されるか、生きたままバーベキューにされるか。
人々はとにかく逃げた。

鬼の色は赤でもなく青でもなく、白か黒だった。白と黒は対立し合い、縄張りを奪い合ってる。
縄張り争いの基準は不明だが、その争いにて鬼同士が殺し合う事もあった。
鬼同士の戦い合いで死んだとき、勝った鬼は鬼の肉をその場に撒き散きちらすが、それが人間の食料になった。
一応、細々とだが、地獄でも人は生きれていた。

鬼は10日に一回、サナギの様に固まる事がある。人間で例えると睡眠時間であり、体力が回復するが、この時、サナギはバリアに守られて無敵の状態にある。

鬼は生殖活動はしないが増える。
人間の死者の魂凡そ1000個が、数十日という時間をかけて混ざりあり、自然に作られる。
魂が集まらない様に風を起こしたり、物理的に遠ざけると、鬼が作られる事はない。

地獄はある意味で天国に変えられる。
無法地帯である故に、一部の悪にとっては、レ◎プの様な犯罪はやりたい放題。
そういう訳で、地獄だというのに生まれてくる命もあった。

そうして生まれてきた命は、よりによって前向きだった。「地獄の世界しか知らない」地獄が当たり前であり、当人にとっては地獄状態が平穏だった。
地獄世界で人々は前向きに細々と生き、鬼と争い、殺し合う。

鬼に勝つというのは、鬼同士の争いで鬼が自滅する事を期待するものであるが、特に鬼死体から得られる牙は武器として使えた。
鬼自体をさばく、あるいは防衛として鬼とある程度渡り合える。
渡り合えるといっても、幼稚園児がナイフを持ってナイフを持った大人に飛びかかる程の体力差はある。
真正面からは戦えない。

鬼がサナギ化してる瞬間こそがチャンスである。
サナギから解放される際、鬼の首を狩れる。
問題は鬼が群れを成す生き物でもあるという事。
人間の獲物を見つけて、感情的に我を忘れされて、散らばらせて孤立させる。誰かが囮となり、逃げ切れれば可能。
だが、体格差があるので不可能。身長2mを超える鬼の脚力から逃げきれない。
小回りの効く剣山の密集地帯か、もしくは足を取られる砂漠を利用するしかない。
鬼の聴覚と嗅覚は優れないのが唯一の救いであり、その弱点を利用して人類は生き残る。

ある日、人は
砂漠の果てに海を見つける。そして宇宙船が飛来してるのを目撃する。
海に魚の存在を見つける。水とマグマを利用して、鬼の牙、鬼の角で武器防具加工できる。
全人類地獄召喚事件から20年の歳月が流れた頃、また空から人々が降ってくる。
その人々は別の惑星から召喚された。運が悪ければ即死、この世界で果たして生き残る事ができるか?
作品名:全人類地獄召喚 作家名:西中