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Sue

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 そして特筆すべきは目、ぱっちりしていて透明感があり、この国の少女たちの中でもとりわけ印象的だったのだ、そこが「日本人に見える」という基準を無視して声をかけた一番の理由だ。


 ホテルに戻り、父親立会いの下で酒井はスーと向き合った。
「洋服を脱いで」
 ぶっきらぼうに言う、素直に応じなければ怒鳴って脅す、甘い言葉は不要だし、今後の撮影の事を考えると、これは仕事であり、雇用主からの命令である事をきっちり示しておく必要がある。
 しかし脅しは必要なかった、スーは恥じらいながらもきっぱりと裸になったのだ。
 気に入られなければ売春宿に売られる……その状況を理解しているのだろう、その聡明さも好ましい
「手をどけろ」
 さすがに性器は掌で隠していたのだが、それこそ肝心な部分だ、しっかり記録して帰らなければならない、スーの掌がゆっくりと移動して行く。
「回ってみろ、ゆっくりとな……もっとゆっくり……そうだ、もう一回……もう一回……」
 じっくりと時間をかけて一糸纏わぬ姿のスーの全てを吟味した。

 スーは完璧だった。

 肌は浅黒いものの、スーの顔立ちにはむしろマッチしている、大きな目がより際立つのだ。 胸はまだぺったんこで乳首もまだわずかに隆起し始めた程度だが、今はこれで充分、あまり大きくては年齢にサバを読んだと思われかねない、撮影を重ねて行く間に徐々に膨らんで来る方が好ましい。
 一方、骨盤がしっかりしているのだろう、腰つきには女らしさの兆しが見えていて尻の肉付きもほど良く、背中から腰、尻にかけてのラインが特別に美しい。
 そして何より性器が理想的だった、柔らかそうに盛り上がった土手に小さめの深いスリット、少女は総じて前付きなものだが、スーは特に前付きで正面からでも全てが露わになる、そして、とりわけ特徴的なのがスリットの脇にぽつんとあるほくろ、マリリン・モンローの口元のほくろは彼女のトレードマークだったが、スーのスリットを唇に見立てると丁度マリリンの口元のよう、しかも秘密の部分にあるほくろだから、淫靡な秘密、と言った趣もあり余計に魅力的だ。
 
 まず、純粋な記録としての撮影を終えると、少しポーズに注文を付けてみる。
 動きがぎこちないのは当然としても、背中から腰にかけてのラインが常に奇麗なS字を描くのでポーズはぴたりと決まる、腰が奇麗に反っているので贅肉のない下腹が少し前に突き出るのも少女らしくて魅力的だ、細い背中は頼りなげで思わず抱きしめたくなる、そして長く伸びやかな手足も美しい。
 色々と注文を付けながら30分も撮影していると、スーから最初の硬さが取れてきて表情も生き生きとし始め、大きな瞳はスーの感情をそのまま映し出してより印象深くなる。
 扇情的なポーズを要求すると、恥じらいからか悩ましげな表情になるのだが、それでいてかなり大胆なポーズを指示しても素直に応じる、思い切り開脚させた時にスリットの内部も垣間見えたが、肌が浅黒い分ピンクの肉が刺激的に見える……。
 記録としてはもう充分だったのだが酒井は更に30分ほど撮影を続けた、せっかく乗ってきたからと言うのもあるが、酒井自身がスーに魅せられ始めていたのだ。

「まだ撮るのか?」
 父親は娘がヌードを撮られていることにあまり関心はないようだ、退屈した感じで言う。
「2,000ドル払うんだ、それくらいで文句をつけるならこの話はなかったことにしても良いんだぞ」
「いや、悪かった……」
「わかればいい、撮影もこれで充分だよ」
「で? 娘は合格か?」
「ああ、申し分ない、家に案内してもらおうか、そこで2,000ドル渡すよ、契約しよう」

 父親がスーを連れて帰ると、おそらくはスーが父親に引っ張られて行った時のままなのだろう、家の前でうずくまっていた母親はスーの名を何度も呼んで抱きしめて泣き、スーも母親にすがって泣いた。
 父親が少女ヌードのことを告げると、母親の表情は一瞬曇ったものの、娘を売らずに済み、撮影ごとに現在の年収を上回るギャラも貰えるとあっては納得せざるを得ない。
 酒井は幾つかきつく注意をしてからスーの家を後にした。
 以前、契約金を渡したはいいが、いざ撮影に来てみると娘が太ってしまっていたという失敗があるのだ。
 スーの家も貧しい、金を手にして美味いもの、甘いものが充分手に入る様になると歯止めが利かなくなる可能性もある、少しでも太ったら撮影はなく、ギャラも支払われないと釘を刺しておかねばならない。
 父親はさっさと奥に引っ込んでしまったが、母親とスーは真剣な顔で聞き、そのつど深く頷いていた、娘を売らずに、売られずに済むのであれば何でも我慢できる……そんな表情だ、この分なら心配はないだろう……。
 

 日本に帰り、何人かの候補の中から一人のカメラマンを選んでスーの写真を見せる。
「いいですねぇ……日本人には見えないけど日本人好みではありますね」
「撮影も向うでしよう、南国の海岸やアジアンティストのホテルが似合いそうだろう?」
「モデルだけ日本に連れてきた方が安上がりではありますがね」
「いいんだ、この娘は必ず売れるよ」
「俺もそう思いますよ、酒井さんが俺を選んでくれてラッキーだったな……」


 出版社との打ち合わせもスーの写真を見せるとスムースに進み、すぐにスタッフごと現地に飛んで撮影した。
 ホテルのロビーや庭での着衣の撮影でスーの無邪気な可愛らしさを強調し、プールサイドでの水着~ヌードと続けてその肢体を余すところなく見せつけ、夕暮れ時のビーチでは清楚なワンピース姿でスーとデートをしているかのようなムードを演出したあと、再びホテルの部屋で情事を連想させるかなり扇情的なポーズでのヌード。
 スーの表情も恥じらいと楽しげな様子が交錯して実にいい感じで撮影は順調に進んだ。部屋でのヌードで恥ずかしいポーズを要求されるとすこし悲しげな表情になるのだがそれもまた扇情的。 大きな瞳が翳り、少し肉感的な唇が半開きになると10歳の少女とは思えない色香がこぼれ出し、まだ未熟で頼りなげながら、女らしさをほんのりと備え始めたばかりの肢体ともあいまって、独特のエロティズムを湛えた美を醸し出す。

 スーは高級リゾートホテルのような瀟洒な空間に脚を踏み入れたのは始めてだったらしく目を輝かせ、髪を整え、奇麗な服を着せてもらってうっとりしていた。
 ホテルで出される食事はスーにとっては見た事もないような美しく盛り付けられた豪華なもの、手をつけるのをためらっていたが一度口に運んでしまえば夢中になる、おそらくはそんな料理を味わったことはないのだろう、そんな様子もいじらしく可愛らしい。

 酒井もカメラマンやスタッフもそんなスーにすっかり魅せられた。
「今日はここまでだ、部屋で休みなさい」
 そう言うとスーは少し不安げな表情を見せる。
「何もしないの?」
「俺が襲うように見えるかい?」
「だって……最初に2,000ドルも貰って、今日も1,000ドル貰って、奇麗な服を着せてもらったり美味しいものを食べさせてもらったりして……何もしなくていいの?」
「写真を撮っただろう? それも裸で」
「それだけでいいの?」
作品名:Sue 作家名:ST