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われらの! ライダー!(第一部)

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「た、助かる……だが気をつけてくれ! そいつらもただの戦闘員ではない!」
「わかってるさ! 元同僚でも手加減はしないぜ! これでも食らえっ!」
「ギャッ!」
「そ、その武器は一体……」
「プロレス名物、折り畳みパイプ椅子だ! これを持たせたら俺は百人力だぜ!」
「な、何をしている! スーツド・戦闘員共! 裏切り者をひねり潰してしまえ!」
「出来るものならな! そのアメフト用ヘルメットの弱点はここだ!」
 マスクド・アンショッカーはヘルメットの額とフェイスガードの隙間を狙ってパイプ椅子で突く、鼻っ柱を折られた二人目のスーツド・戦闘員がもんどりうって倒れた。
「だ、DaiGoN、何をしている、奴も混乱させるんだ!」
「すみません、やっているのですが、彼には私の早口は聞き取れないようです、しかも彼に関するデータはまだ頭脳にインプットされておらず、分析には多少時間が……」
「もういい! お前には頼らん、下がっていろ!」
「え? おお、ストレスが体から抜けて行くようだ……ライダ~・復活!」
「あ、しまった、DaiGoN、ライダーだけでも封じ込めろ!……おい! どうした!? 声が出ていないぞ! 何? 耳を貸せだと?……喋り過ぎで喉が涸れました? 使えん奴だ!」
「ライダー・パンチ!」
「ウエスタン・ラリアート!」
「ライダー・チョップ!」
「アトミック・ドロップ!」
 うろたえる地獄大使を他所に、復活したライダーとマスクド・アンショッカーは、次から次へとスーツド・戦闘員を蹴散らして行く!
「ライダー! そろそろケリをつけようぜ! タッグマッチの王道、ツープラトン攻撃だ!」
「何っ? 腰を落として手を組んだ構え……そうか! わかったぞ!」
「おうっ!」
 ライダーが駆け寄り、組んだ手に足を掛けるとマスクド・アンショッカーはその怪力でライダーを空中高く舞い上がらせる。
「食らえ! パワーアシスト・ライダーキィ~ック!」
「「「「「「「「「「ギィヤァァァァッ!」」」」」」」」」」」
「ああっ! いかん! 退却だ!」
「「「「「「「「「「イ~~~~」」」」」」」」」」」


「ありがとう、危ないところだった」
「いいんだ、ライダー、君には大きな借りがあるからな」
「しかし、これで君もショッカーの裏切り者になってしまったな……」
「何てことはないさ、自分の身ぐらいは自分で守れる」
「しかし、君には家族もいるのだろう?」
「う……まぁ、女房一人だが……」
「君さえ良ければ、私のところへ来ないか?」
「え? 君の家へ?」
「私に家はないさ、立花レーシングクラブ、それが我々の隠れ家なんだ」
「……随分と目立つ隠れ家だったんだな……しかし、ライダー、お言葉に甘えさせてもらうよ、一人では女房も守りきれないからな……また恩を受けてしまったな」
「恩だなどと……世界平和のために戦う仲間が増えるのは私も心強いよ」
「ああ、ライダー、共に戦わせてくれ!」
「ショッカーを倒し、世界に平和が戻るまで!」

 サイクロン号と原付バイクは夕日に向かって走り去るのであった。

           (まかせろ! ライダー! 終)