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di;vine+sin;fonia デヴァイン・シンフォニア

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 声にならない悲鳴を上げ、メイシアはその場にしゃがみこんだ。両腕で自らを抱き、できるだけ小さく縮こまる。
「お前、綺麗だな」
 感心したようにルイフォンが言った。舐めるような視線に、メイシアの顔が今度は真っ赤になる。
「も、申し訳ございません。見ないでください」
「なんで? 綺麗なものを見ていたいと思うのは人間の自然な欲求だろ?」
 ルイフォンはまるで動じない。それどころか傍にあった椅子に逆向きに座り、背もたれに顎を載せ、文字通りじっくりと腰を据えた。
「か、からかわないでください」
「からかってなんかいないさ。綺麗なものは、綺麗。愛でたくなるのは道理だろ」
 メイシアは、はたと先程のやり取りを思い出した。お前の最初の相手は俺、とかなんとか……。
 ――ひょっとして夜伽というものを要求されているのだろうか……。
 覚悟は出来ているつもりだった。だが、あまりにも急だった。
 メイシアは、がたがたと震えながら上目遣いにルイフォンを見た。目にはうっすらと涙が浮かんでいる。
 そんなメイシアに、ルイフォンはぷっと吹き出した。
 わけが分からず目を丸くする彼女に、彼は更に笑い出す。
「分かっていてやっているわけじゃないだろうけど、それ、凄くそそるぞ」
 椅子の背に顔を押し付けながらルイフォンは腹筋を震わせていた。メイシアは耳まで赤くしてうろたえる。
「安心しろ。いきなりお前を襲うほど、俺は女に飢えていない」
 笑いを抑えつつルイフォンが言う。彼はメイシアよりも年下のはずなのだが、とてもそうは思えなかった。
 彼は「着替えて来い」と言いながら、本来そうあるべき向きに椅子を座りなおし、彼女に背を向けた。
 メイシアはおずおずと立ち上がり、ルイフォンの背中が動かないことを確認し――それでもバスタオルの裾を気にしつつ、脱衣所に戻った。
 できるだけ早く、しかし見苦しくないように身支度を整えてルイフォンの元へ戻ると、彼は少しだけ落胆した顔を見せた。
「惜しいことをしたかもな」
 メイシアが返答に詰まっていると、急にルイフォンの声色が変わる。
「さて。本題だ。俺の部屋に来てくれ」
 そう言うと、彼女の返事も待たずに、彼は金の鈴を煌かせ、部屋を出て行く。
「え? 待って下さい」
 メイシアはルイフォンの部屋を知らない。置いていかれないよう、慌てて彼を追いかけた。