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カクテルの紡ぐ恋歌(うた)Ⅵ

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「な、何、奥さん役? 日垣1佐の? 何そのオイシイ話!」
「できることなら、メグさん連れて行きたいよ。そうすれば、1部長はあなたに押し付けて、私は最初っからゆっくり友達と飲める」
「ちょ、ちょっと待って。押し付けて? 日垣1佐をアタシに? 是非、押し付けられたいわっ。どういういきさつでそんな話になったんですかあ?」
 大須賀は急に目をギラギラさせて、吉谷に掴みかからんばかりに迫った。吉谷が話したコトの経緯は、美紗が前日に直轄チームで聞いた話とほとんど同じだった。
 日垣が、総務課長に事情を話し、吉谷を『奥様代理』に指名したのだろうか。それとも、彼女に直接、レセプションに同行して欲しいと言ったのだろうか。

 にわかに、胸の中を、何かが飛び回り始める。