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てっしゅう
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「歴女先生教えて~」 第十八話

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加藤は美穂が高木を褒めるので少し嫉妬していた。もちろん男性として褒めているのではなく、歴史の知識が豊富であるということを褒めているのだが、男も女もつまらないことで嫉妬する生き物だと言う事である。

「頼朝が鎌倉幕府を開くまでになった最も大きな要因とは何か解る人?」

美穂は加藤の顔を見た。
それに反応するように手を挙げた。

「では、加藤くん答えて」

「はい、義経の功績が大きかったと思います」

「何故そう思うの?」

「壇ノ浦で平家を破ったからです」

「そうね、その事自体は大きいことね。義経が居なかったらもっと長期戦になって、下手したら西日本の豪族たちを仲間に引き入れて、鎌倉勢を手こずらせたかも知れないわね。でもね、頼朝自身に人望が無ければ人は集まらないし、力も貸さないと思うの。なぜ頼朝に人望が集まったのかと言う事よね」

「先生、それは源氏の嫡流だからですよね?」

「そう、それは重要なことね。高木くんはよく勉強しているのね、感心だわ」

またしても高木が褒められた。加藤は自分との能力の差に仕方ないと諦めるしかなかった。

「高木くんが言った嫡流という言葉は武家社会だけでなく支配者階級にとっては重要な位置なの。天皇家が神の子孫であり男系の系譜であるということが絶対であることのように、武家社会も代々与えられてきた武士の最高位である征夷大将軍という称号には資格があるの。そもそも武士は戦う農民だったのだけど、将門のような取りまとめる人物が居なければただの自警団で終わってしまう。東国の争い事から頭角を現したのが源経基(みなもとのつねもと)という人だった。彼は清和(せいわ)天皇の息子・貞純(さだずみ)親王の子供で経基王と称する皇族だったの。自ら貧しい皇族を捨てて地方の要職に就くために臣籍降下(皇族を離脱する)した。その時に賜ったのが源という姓なの」

「その経基王という人が源氏の始まりだったのですね?」

「そうね、もともと天皇家には姓が無いからそこから離れると必要になるの。嫁ぐわけじゃないから新しく姓を貰うのね。余談だけど、姓というのは男系の血統を明確にし、保存するためのものなのよね。夫婦別姓というのは結婚しても妻が誰のDNAを受け継いでいるのかということを明確にする必要性だったのね。日本でも昔は女性でも夫の姓ではなく自らの父親の姓を名乗っていたの。源政子とは言わないよね。北条政子って呼ばれている。北条というDNAが重要なことだった。現代は違うけど、少し前までは女性の着物には実家の家紋が使われていたのよ」

「男尊女卑だったのですね」

「この頃言わなくなった言葉ね。子供は父親と母親の遺伝子を半分ずつ受け継ぐ。だから女性の系統でも子孫は間違いなく男子と同じなんだけど、男子が優先されることは女性の腹は借り物という蔑視ね」

「先生、だから天皇家や支配者階級ではたくさんの妻以外の女性たちが子供を産まされていたのですね」