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てっしゅう
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「歴女先生教えて~」 第十四話

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授業開始前に保健室に行ってきたことを不審に感じたのか同僚の鈴村教諭が尋ねてきた。

「川野先生、どうして保健室に行かれたの?」

「ええ、ちょっと高橋先生にお聞きしたいことがあったものですから」

「なんですの?」

「高木くんが仮病で時々行くでしょう?今度来たら追い返すようにってお願いしてきたの」

「そうだったの。サボるのはよくないしね。教務主任もあまり度々だと考えるってこの前話しておられたから、良かったんじゃないかしら」

美穂は鈴村にも嘘を話した。変な言い回しで誤解されても困るからだ。
チャイムが鳴って美穂は職員室を出て一組の教室に向かった。

「起立!礼!」

渡辺の声に続けて美穂は「おはよう」と言った。そしてすぐに加藤と目線を合わせた。
素敵な笑顔をしていた。美穂はちょっと恥ずかしく感じてしまった。

「では、今日は皆さんに一つ質問をします。答えられる人は手を挙げてね。少し昔は、そうね太平洋戦争前ぐらいまでは日本史史上三大悪人と呼ばれていた武将がいたの。誰だか解る?」

隣同士喋りながらボソボソいう声が聞こえたが手を挙げる生徒は居なかった。

「高木くんは知らないの?」

「ええ?ボクですか。多分一人は平将門(たいらのまさかど)だと思うんですが、後が解りません」

「そうよ、一人は将門で正解。ヒントは天皇に逆らった人たちって言う事かしら」

渡辺が手を挙げた。

「先生、織田信長ですか?」

「信長は意見こそしたけど、天皇を迫害したりはしなかったわ」

「だとしたら、建武の新政のあと後醍醐天皇を追放した足利尊氏ですか?」

「そうよ、よく覚えていたわね。残りは一人ね。この人は天皇を迫害したのではなく、天皇になろうとしたの、わかる?飛鳥時代の人よ」

返事はなかった。

「道鏡って言う僧侶よ。平安時代に書かれた日本最古の説話集「日本霊異記」という書物の中に書かれている内容からすると、仏教に篤く帰依していた孝謙天皇(こうけんてんのう=父は聖武天皇、母は藤原家出身の光明皇后)に接近して寵愛を受け、優秀な僧ではあったのだけど光明皇后の甥にあたる藤原仲麻呂(ふじわらのなかまろ)が即位した淳和天皇(じゅんなてんのう)と上皇になった孝謙上皇との争いごとに巻き込まれて失脚すると、より天皇との結びつきが強くなったの。淳和天皇を廃した孝謙上皇は再び称徳天皇(しょうとくてんのう)となって即位した。これは重祚(ちょうそ)と言って二度皇位に就く異常事態だったの」

「僧侶が何故天皇と深く結びついて、政治の表舞台に登場出来たのでしょうか?」

「いい質問ね、渡辺くん。孝謙天皇つまり後の称徳天皇は女性よ。それも独身。理由が想像つかない?」

「先生!それは加藤や高木の方が良く分かると思います」

みんなは大笑いした。美穂は加藤の顔を見た。