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馬場ふたば
馬場ふたば
novelistID. 61242
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They are fighting in my mind

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They are fihging in my mind

(登場人物)
ユウ(25)
成人女性。10月5日生。てんびん座。B型。独身。彼氏なし。フリーター。実家暮らし(家族構成→父、母、弟、ネコ)。フラフラしていて陽気な性格。何事にも干渉しないが、悪く言えば無関心。社会への興味関心が薄い。シンガーソングライターを目指している。

ユウ(5)
ひまわり幼稚園の園児。10月5日生。てんびん座。B型。
憧れは弟と一緒に見ているガオガオレンジャーのガオレッド。最近猫を拾った。二つ離れた弟が可愛くて仕方がない。軽くヒーロー気分。何でも知りたがりで好奇心旺盛、正義心に溢れている。いつも笑顔で明るい女の子。

少女A(17)
6月21日生。かに座(ふたご座との間でもある)。A型。(家族構成→父、母)
花岡高校(公立)の生徒会長。容姿端麗、成績優秀、品性方向、まさに生徒の『カガミ』な存在。完璧マン。でも裏では......
(※25歳の時犯罪を犯し逮捕される。)

少年A(17)
11月10日生。さそり座。O型。(家族構成→母、兄、弟)
花岡高校(公立)の不良少年。だが決してヤンキーと言う訳ではない。喧嘩は弱く、弱いものいじめが嫌い。強い正義心を持つ。
(※25歳の時、青い制服をシャンと着こなすお巡りさんになっている。)

ネコ(20)
ユウの家の猫

父、母、生徒、校長、政治家A


あらすじ

 「今日のニュースです、昨夜未明......」
 「○○県で起きた窃盗事件ですが、その犯人を捕まえた高校生が......」

 毎日テレビからただただ溢れて漏れるたくさんの情報。そんなマスメディアの世界にわたし達は振りまわされてばかり。例えば、すごく悪い事をした人でも、大きな功績を残せばあっという間にヒーロー扱いされたり、いい事をした人に悪い事が見つかればすぐにその悪い情報は広められ、あっという間に悪者扱い、と言う具合に。
 何が「正義」で、何が「悪」なのか分からないこの世の中。マスメディアの世界の中で、手のひらで踊らされてる、そんな比喩表現がピッタリ合うくらいには一つの情報で右往左往する私達。
 しかし、本当にそれはマスメディアの世界だけなのだろうか?
 例えば、普段の生活の中にも正義の様に見えて悪だったり、悪の様に見えて正義だったり、そんな矛盾が生じる世界が隠れているのでは無いだろうか。化けの皮がはがれるとはよく言ったものだ。その皮はなかなか剥がれない。しかし、その皮がペリペリっと勢い良くはがれてしまえば、皆してそれを非難する。
 正義か、悪か、分からない世界でわたし達は平和を信じて生きている。その平和でさえも、平和かどうかわかないのに。
 今日も、テレビの中のニュースキャスターは大袈裟に平和を憂いている。
 
 
起→20年前の忘れられない景色。テレビの中の戦隊ヒーローと、近所にやって来た戦隊ヒーロー。小さな少女の思い描いていた世界とはあまりにも違いすぎた小さな世界。
承→時は20××年。一人のフリーター女性は、今日も何事もなく一日を過ごそうとしていた。そんな彼女の耳と目に入って来た情報は、あまりにも現実世界を信じずにはいられない様なものでした。
転→8年前のあの景色。目に映った世界がすべて正しいものではない。それを理解するにはあまりにも残酷な世界でした。
結→現実世界の矛盾、メディア社会に頼り過ぎてしまった現代人。フリーターの彼女の目から見た世界は......


   ●20年前 ある家の中
   一人の少女が食い入るようにテレビ画面を覗きこんでいる
   サスで少女を照らす

ユウ「しゃーきーんっ!ガオレッド参上!現れたな怪人め!倒してやる!」

   画面越しに敵と戦う素振り
   しばらくして決着がつく、最後に必殺技を出す

ユウ「くらえ!ガオガオパーンチ!......ふっふっふー、わたしにかかればこんなもんよ。」
母 「あら、ユウちゃん強いわね。」
ユウ「お母さん、ユウ勝ったよ!」
母 「うん、すごいすごい。」
ユウ「ねえ、かっこいい?かっこいい?」
母 「かっこいいけど......何でピンクとか、かわいいのじゃないのかな?」
ユウ「だって、レッドが一番強いんだよ。わたしね、大きくなったらガオレッドになるんだ!」
母 「ユウちゃんはガオガオレンジャーが好きね。」
ユウ「うん!だいすき!」
母 「お母さん的には、プリキュオとかの方が似合うと思うんだけどな。」
ユウ「プリキュアは弱いよ。」
母 「お母さんは強いと思うんだけどなー。」
ユウ「お母さん、わたしがガオレッドになったら、お母さんを悪い奴らから守ってあげるからね!」
母 「あら、それは心強いわね。」
ユウ「ガオガオレッド!シャキーン!」

   父と母のサス転換
   父登場

父 「ユウ、お父さんとデパート行かないか?」
ユウ「(ガオレンジャーの変身ベルトいじりながら)......行かなーい。」
父 「そっかー、行かないかー。」
ユウ「うん。」
父 「そっかー、何かヒーローが来てるみたいだったけど......そっか、ユウ行かないなら父さんだけで行こうかな。」
ユウ「行く!」
父 「よし、じゃあ出かける準備しておいで。」
ユウ「はーい!」

   ●デパートの屋上
   戦隊ヒーローショーが繰り広げられている
   丁度ヒーローと悪役が戦っていて、ユウが敵に連れ去られる

悪役「ふははははははははh......こいつがどうなっても良いのか。」
ユウ「わあー!お父さーん!」
父 「ユウー!」
ヒ青「なんて卑怯な奴だ。」
ヒ赤「大丈夫だ、僕らが助けよう。」

   ヒーロー達があっという間に悪役を倒す
   レッドが無事にユウを助け、父の元へ帰す

ヒ赤「もう大丈夫だ。怖かったね(ユウの頭を撫でる)」
ユウ「ありがとう。」
ヒ赤「悪い奴を倒すのが僕らの役目。お礼を言われる様な事は何もしていないさ。」

   レッドが颯爽と舞台へ帰って行く

父 「ユウ、よかったな。」
ユウ「うん、すごくかっこよかった。」
父 「そうかそうか......(電話がかかって来る)あ、ユウ、お父さんお仕事の電話が来ちゃったから......少しここで待てるか?」
ユウ「うん、大丈夫。」
父 「おりこうさんだな。じゃあ、すぐ戻るから。」

   父が電話をしながらはける。
   ユウ、舞台裏にレッドを見つけて駆け寄る

ユウ「レッ......!」
ヒ赤「(煙草を吸いながら)あー、だるいだるい。何でたって子ども相手にあんなこと......っち、邪魔だな(子猫を蹴り飛ばす)」
ヒ青「おーい、撤収するから早く着替えろってさ。」
ヒ赤「あー、はいはい、今行きますよー。(煙草の火を消す)」
ユウ「............(弱っている子ねこを抱き上げる)」
ネコ「ニャーン。」
ユウ「悪い奴らから、守ってあげるからね。」
ネコ「ニャーン。」

   ネコを抱きかかえて元の場所へ戻る
   慌てる父の姿が見える

父 「ユウ!どこに居たんだ!お父さんは心配で心配で......どうしたんだ、その猫。」
ユウ「拾った。」
父 「拾ったって......母さんに怒られるぞ?」