小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

一卵性双生児の片割れが片割れに嫌悪感を抱いている話。

INDEX|3ページ/3ページ|

前のページ
 

変わったこと



 身内との、これまでの比じゃない争いは、お互いにとって良いことは無い。同じ屋根の下で暮らしている親や兄弟も、普段は口出しをしないとはいえ、良い気はしないだろう。
 デメリットばかりにも思えるが、唯一それがきっかけで、私が変わったことがある。家事の手伝いだ。
 娘達は、家事の手伝いに積極的ではなかった。頼まれたら、何分かしてから重い腰をやっとあげる。私がスッとやれるものは、米とぎくらいだけだった。
 それが、例の件があってから、私の意識が変わっていた。

 変わった、と表現すべきかは分からない。だが、その時に、よく見ることが多い洗い物の溜まった台所を見て「あ、溜まってるな」と思い、自然と片づけていた。その後に、母は仕事から帰宅し、褒められたことを覚えている。
 変化のきっかけは皿洗いだとしても、その原因が母からの褒め言葉だった。

 特別、虐待などされた覚えはないし、寧ろ母親の方から何かと娘に構いに行く家庭だ。「お父さんはデレがない。ツンツンだ」とたまに娘達がからかう、無愛想な父からも充分な愛情を感じていた。一般家庭より裕福ではないにしても、複雑な所は何一つも無かった。単純に褒められたことが嬉しかった。
 驚くべきことは、それが今でも、約数ヶ月ほど続いているということだ。

 私は比較的飽きやすい性格をしている。どうせ三日坊主だろうと思っていたものだから、自分でも驚いている。
 恐らく、私は差を見せつけたかったのだと思う。双子のテンプレートか分からないが、何かと比較されたり(といっても善し悪しではなく、間違い探しの感覚だが)、同一にされるのは好ましくは感じていない。私はアイツと違う、と無意識に思ったからなのかもしれないし、実際に同じにされると反吐が出そうになる。

 これがいつまで続くかは神のみぞ知る、が悪いことでは無いので長期に渡って継続していきたい。