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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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隣と彼方 探偵奇談9

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証明



二日間に渡る学祭は賑やかに始まり、瑞らのクラスのお化け屋敷は好評を博した。
そして二日目、体育祭。三学年縦割りで編成される3色で争う競技も、終盤に差し掛かっている。フィナーレを飾るのは、この学校の伝統競技である部活対抗リレーである。

『予選を勝ち抜いたのは、大本命の陸上部、野球部、水泳部、サッカー部、剣道部、そしてダークホースの弓道部!各部活、精鋭を集めた4×100メートルリレーは間もなくスタートです』

予選を勝ち抜いて、弓道部は決勝へと進んでいた。以前編成された精鋭と主将によるメンバーが、息のあったバトンパスで勝ち上がっている。

「オシ、気合い入れろよおまえら。珠算部が予選落ちし、ビート版の水泳部が決勝に来たのは予想外だが、ここまできたら優勝しか狙うつもりはないぞ」

集合場所には、アンカーの伊吹、三走の瑞、二走の桂田、スターターの水戸が集まり、最後の作戦会議を開いている。伊吹の目に、いつもは見せないぎらついた闘志が目の中に宿っていた。

「なんとしても、陸上部に勝つ!」

いつも物静かで穏やかな主将がそんな様子なのだから、瑞らも自然と燃えてくる。予選では幸運にも陸上部とはあたらなかった。ここでついにぶつかるのだ。

「俺、先輩に1位でバトンを渡しますから。絶対逃げ切って下さいね」
「おー!」

頼もしい返事をして、主将は二カッと笑うのだった。

「はじまるな、ゴールで会おう」

めいめいが、スタート位置へと散っていく。瑞は幾分緊張しながら、チームメイトと別れた。トラックの外では、各部活動が趣向をこらした応援を続けている。弓道部の面々も、大きな声援を送ってくれているのが聞こえた。