小説が読める！投稿できる！小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ！

一眼レフカメラで自分の顔を撮ってみた。携帯で自撮りをするのとは違って、自分の顔がファインダーにどう写り込んでいるのかがわからなかった。わたしは、どんな顔をしているのだろう。綺麗な顔をしているのだろうか。それとも醜い顔をしているのだろうか。人から見える、わたしの顔はどんな顔なのだろうか。
　ピピっ。カシャ。
　ピピっ。カシャ。
　何枚か撮りためて、自分で自分を確かめてみる。
　するとそこには、見たことのあるわたしの顔があった。携帯電話で撮った自分の顔よりも、もっと立体的で、現実的なわたしの顔があった。その写真を、産毛が見えるほどにまで拡大してみる。まだ出来てから18年しか経ていないその肌には、シミもシワも毛穴さえも見つからなかった。
　しかし、そんなわたしの顔を眺めてみても、醜いか、綺麗かの判断は全くつかなかった。ただ、ああこういう顔なのか。という感想が出てきただけであった。
　カメラの電源を切り、床に置く。そして私は大きなクッションに顔を埋める。外から鳥の声が聞こえる。ふと、顔を上げてみると電波時計は、今の時間が７：１２であることを知らせていた。学校に行かなければならない。学生の本分は勉強だ。そんなことはわかっている。
　自問自答しているふりをしながら、私はまたクッションに顔を埋める。そしてまた再び夢に落ちていった。