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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「歴女先生教えて~」 第二話

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「今日は残り時間がないから簡単に話します。日本という国は大きな改革、つまり体制の変化が三度ありました。解る人いますか?」

渡辺が手を挙げた。

「渡辺くん、どうぞ」

「はい、初めが大化の改新、次が明治維新、最後は太平洋戦争終結です」

「渡辺くんは、それがどういう変化だと思っているの?」

「はい、大化の改新は、それまでの豪族中心の政治から天皇が主権を執った政治体制への変換でした。明治維新も武家政治から天皇主権への変換でした。終戦はそれまでの天皇政権から選挙で選ばれた国民が政治をする民主主義に変わりました」

「よく勉強しているのね、感心だわ~渡辺くん以外の答えの人いるかしら?」

誰も手は挙げなかった。それは勉強において渡辺以上に出来る者は誰もいなかったからである。

「先生も渡辺くんが答えてくれた通りだと思う。補足すると、鎌倉時代の終わりに建武の新政という動きがあって、後醍醐天皇が執権北条氏から政治を奪い取ったんだけど、足利尊氏の離反にあって二年半ほどで終わってしまうの。内乱を平定するということは、武士たちに不満を残さずに恩賞を与え、領地を確保させることが重要だったのよね。後醍醐天皇は武士を嫌っていたからそういう部分で味方した武士たちもだんだん不満が大きくなって、足利尊氏の離反に同調したの」

「先生、そのあと後醍醐天皇は吉野に逃げるんですよね?」

「そう、足利尊氏の追及を逃れて三種の神器を持ち出して、自分が正しい天皇だと主張するの。これによって光厳天皇の弟で即位した光明天皇は北朝となって、後醍醐の南朝と並立する、南北朝時代がおよそ60年間続くの。昭和に入って南朝の末裔だという人が現れて、自分が正しい天皇家の血筋だと主張したけど、もちろん認められなかった」

「そんな事件があったのですね。日本は天皇制の国家だから、歴史そのものも天皇にかかわる部分で事件や事変が多いですね」

「渡辺くんは、明治維新をどのように考えているの?」

「明治維新ですか?」

そう返事した時、終了のチャイムが鳴った。

「では、私の初めての授業はこれで終了します。今言った、明治維新をどのように考えているか?ということは宿題にします。次の授業までに各自考えて来てください」

え~、という声が広がっていた。

「加藤、お前が変なこと言うから先生怒ってきっと宿題を出したんだぞ!」

「高木が先になじったんじゃないか!悪いのはお前の方だぞ。それより本当のこと教えろ、保健室の先生とやったのか?」

「バカじゃないの?高校生だぞ。向こうはもう30過ぎの結婚している先生だぞ。あり得ないだろう」

「ふ~ん、怪しいものだ。あそこが痛い~とか何とか言って触ってもらったりしたんじゃないのか?ハハハ~」

「お前の頭は最低だな。お前こそ美穂先生に、美人とか言って関心惹いて、何をしようと考えているんだ?先生は純情なバージンだから簡単にお前に騙されそうで危ないよ」

「向こうがその気になれば別だけど、いい体しているから狙ってみる価値はあるよな」

「おれはダメなほうに100円掛けるよ」

「また掛けか?お前も好きだなあ~ハハハ~」

「そうだな、ハハハ~」

美穂がこの二人の会話を聞いたらどのように思うだろうか。先が思いやられる男子校でのスタートだった。