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荏田みつぎ
荏田みつぎ
novelistID. 48090
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それから(それからの続きの続き)

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やがて車は、長いくねくねと曲がった坂道を登り終え、展望台の前で停まった。
「ちょっと、展望台に行ってみん?」
「ああ・・そうですか?」
「・・・」
「・・」
「あ~、やっぱり此処は、気分がええわ・・。わたしね、何かが有って、気を紛らわせたい時、何時も此処に来るんよ・・」
「そうですか・・ で、今日は、どんな気分を紛らわせたいんですか?」
「・・今日は、紛らわせたいんじゃのうて、さんばんくんとドライブしたかっただけ・・」
「ああ、それは、好かった・・」
「えっ? さんばんくんも、楽しんでくれたん?」
「いや・・、楽しむのも楽しんだのですが、それよりも容子さんが、何を落ち込んでいるのかなと、一瞬、心配だったから・・。ただドライブをしたかったと聞いて・・好かったなと・・」
「そう・・? わたしの事を、ちょっとでも心配してくれるん? 嬉しいわ・・」
「何時も明るく居て貰いたいですから・・」
「・・・」
「・・」
「さんばんくん、好きな人、居るん・・?」
と、彼女は、展望台の手すりに身体を預けて、遠くを見ながら訊いた。
「いや、特に・・居ません。まだ、仕事などを覚えてから・・そういう人が、現れたら・・好いかもと・・」
「そうなんじゃ・・」
「俺、フィリピンでは、相当な事を遣ってきましたから・・、まず、その報いで、そんな人など現れないでしょうけど・・」
「相当な事いうて・・? まあ、あんたが、この前、賢治君にやった事を見たら、大体の想像は出来るけど・・」
「ですよね・・ まあ、手が、後ろに回らなかっただけラッキーでした。」
「ふふ・・ そうなん?」
「はい、ですから、俺の様な者は、人並みの暮らしなど望んではいけないんだと思ってます。」
「そんな事ないよ。あんたは、人一倍まっすぐで正義感が強いだけよ。好い人が、傍に居ったら・・そんなあんたを、何時も見てくれる人が居ったら、あんたは、成功する。」
「そうですかねぇ・・」
「そうよ。・・わたし、あんたをずっと見てみたい・・。ずっと、あんたを見れる様な処に居たい・・」
「・・・」
「あっ、ごめんね・・ こんな事を言うて・・」
「いや・・、別に・・構いませんよ。」
「ほんまに?」
「はい。これからも、会社で働く俺を見ていてください。もう、迷惑を掛ける様な事は、しませんから・・ もっと真面目になって・・、賢治と出掛けるのも止めますから・・、この会社で働かせて下さい。」
「・・?」
「あ、俺‥、クビになるんじゃ・・?」
「そんな事ない。・・・ふふ・・、上手いね、あんた・・。あのね、わたし、聞いたんよ。・・賢治君から聞いたんよ。あんた、毎晩、ラーメンだけ食べて、賢治君が帰るまで待っとったんじゃとね。・・なんで、そんな事したん?」
「・・・」
「まあ、ええわ。・・その代り、弁当だけは、毎日作らせてね、わたしの気が済むまで・・・ さあ、帰ろうか。」
「はい。もう酔いは、冷めましたから、俺が、運転します。容子さんの運転は、ちょっとだけ怖いというか・・」