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同調率99%の少女(10) - 鎮守府Aの物語

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--- 3 二人で行く鎮守府



 那美恵は神通の艤装のコアユニットを、流留は川内の艤装のコアユニットをそれぞれ紙袋に入れて手に下げて、高校から駅までの道をテクテクと歩いている。高校〜駅間は、歩きでおよそ10分。途中にはアーケード街があり、通学路の一つはその中を突っ切って設定されている。様々な店が構えるアーケード街、学生たちにとっては誘惑も多い。買い食いはもちろん、ガッツリと買い物をして帰宅の途につく学生も多い。

 すっかり仲良くなった那美恵と流留は、ペチャクチャとおしゃべりをしながらアーケード街を進む。趣味は全然異なるものの、感性はどことなく似ているとお互い直感した二人。
 流留はもっと早く艦娘に出会っていれば、この素敵な生徒会長、先輩ではあるが友達になれたのかもと、少しだけ後悔した。

「ねぇねぇ会長。何かちょっと食べて行きましょうよ!」
 流留は、よく男友達と行っていた店とは違う店の前で那美恵を誘いかけた。それは、今まで同性の友達がいなかった流留にとっては行きたくても行きづらい、憧れとも言える、女子高生に人気のあるスイーツショップだった。しかし那美恵は頭を振ってそれを拒否する。ちゃんとした理由がある。
「だーめ。今日は鎮守府に行くんだから。早く行かないと帰っちゃう人もいるんだよ。内田さんにはなるべく多くの艦娘に会ってもらいたいの。我慢してね。」
「え〜。会長はここ寄ったりしないんですかぁ?JKに人気だって聞きますよ。あたし、女子高生の集まる店、憧れてたんです。今まで男友達としか一緒にいなかったから。」

 最後のセリフを耳にすると、那美恵は心臓をキュッとつままれる感覚を覚えた。流留の人となりの一片を知った気がした那美恵はそれとなく話題に乗りかけた。
「入ったことあるよ。オススメメニューは○○で……って。今は鎮守府が優先!これからはいろんな年代の人と鎮守府で付き合うことになるんだから、これから、これからだよ。」
「はーい。」
 流留は那美恵のフォローの意味に気づかずに、ただ不満気味な返事をするだけだった。


--

 電車に乗り数分。となり町の駅にて二人は降りた。ちなみに那美恵達の学校へはこの駅からもバスが出ており、この駅の周辺に住む学生もいる。ただ基本的には学生向きの街ではなく閑静な住宅街のため、駅前には取り立てて目を引くものはない。

「鎮守府はこっちだよ。」
「へぇ。商店街のある改札とは違う方に行くんですかぁ。」
「そ。歩いて大体20〜30分程度。時間があるときは歩くけど普段はバス使うかな。」
「はぁ……。だったらバス使いましょうよ。」
「そーしたいんだけどぉ、今日は内田さんの案内記念ってことで、この街案内を兼ねて歩きましょー。」
「え〜〜、面倒くさいなぁ。まぁいいや。途中でなんか面白い店とかなんですかねぇ。」

 てくてくと鎮守府への道のりを歩きながら話す二人。

「途中にレストラン、それからコーヒーショップの○○があるよ。あとは……駅から離れちゃうと、せいぜい鎮守府の近くにある小さめのショッピングセンターくらいかなぁ。」
「ゲームセンターとかTVゲームの店は?」
「あたし興味ないからわかんなーい。」
「くっ、ぬぬぬ。いいですよ。あとで明石さんに聞きますから。」