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おっさんの妄想 カラス

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ふと空を見上げると飛んでいた一羽のカラスがパタパタっと電線に止まった。自然の能力は凄いもので人間が造ったどんな優秀な航空機でもこんなにピンポイントで止まれないのに、さーっと飛んでくるとパタパタっと羽ばたきパッと止まる。実に上手いものだとそれに感心している間に仲間のカラスだろうか、別の一羽のカラスがやってきた。
このカラス、目測を誤ったのか、パタパタっと羽ばたくまでは同じだが、電線をつかみ止まったはいいが羽根を広げ前に後ろに揺れバランスを取った。
それを見て私は思わず吹いてしまった。
A「お前何してんねん、先に俺が居るのに揺らすなや」
なぜかこう言う時は関西弁が聞こえる。
B「えらいすんまへんなー、ちょっと目測誤ってブレーキ掛けるの遅れたねん」
A「嘘つけ!お前いつもの止まるの下手やん」
B「あらまあ、よー見てるな、そうでんがな。俺電線止まるの苦手やねんなあ」
A「お前、目悪いちゃうか?」
B「目!?ちゃんと見えてるで」
A「見える見えんや無い、乱視ちゃうかちゅうこっちゃ、鳥が鳥目になっても困らんけど、乱視やと面倒やで、一回医者行って診てもらえ」
B「まあえいがな、今んとこ特に支障ないし、えへへへ」
A「たく!しょうないやっちゃな」
揺らされて気分悪くしたのも一言言うとそれも治まったのだろうか、カラスは辺りをキョロキョロ見渡していると後から来たカラスが始めのカラスににじり寄った。
B「そんな事より、俺ええ餌場見つけたで」と小さな声で耳打ちしているのだろうか。
A「新しい餌場!?」とカアと鳴く
B「シーっ声がでかい」
A「ほんでそれどこやねん」
B「この近くにあるゴミ置場、あれ人にとってはゴミ置場やけど、俺らにとっては宝の山や、
うはははは」
始めは小さかった声も段々エスカレートし陽気になったのか大きな声でカアカアと煩く鳴く。その下では農作業中のおじさんがいて、それを気にしたのかカラスに目をやった。
A「シー、静かにせい!お前こそ大きな声を出すな!下の人間に石ぶつけられる。ほんでそのゴミ置場ってどうせお前のこっちゃ、もしかしてその先を右に行ってその先の交差点を左に行った所の事ちゃうか」
B「あれ!?よー知っとんなあ、そこそこ。あれ俺が見つ」まで言った時の事だった先のカラスが後のカラスをじっと見ると嘴カクカクさせ
A「お前ほんまに何も知らんやっちゃなあ、あそこはもう餌場やない。なんや緑の網が張られて俺ら近ずけんなった。」
B「網が張られた!?」
A「そうや、嘘やと思うたら明日行ってみ、事は判るがくれぐれも目測誤って網にかからんようにな、誰も助けに来いへんさかいな。俺は別の所行くよって、ほな!」
とでも言ったのかカラスは飛びだった。
B「おい、ちょっと待ってええな」
続いてもう一羽もそれに続いた。

カラスに電線が止まれば大事件だが、カラスが電線に止まった所で何もない普通の風景

こんな事考えても金にはなりません!
誰も褒めません!
かえって馬鹿にされます!

それがどうかしましたか?

二羽がそんな会話をしてると思うと実に愉快で楽しく、自分が馬鹿になれば何でも楽しめるのです。

次はスズメにしようかな…