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ラジオ

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私はラジオが好きだ。特に夜の時間帯のニッポン放送が。あのパーソナリティさんの素が垣間見えるあの感じが堪らない。私はメールを送ったことがある。しかも、読まれたこともある。心臓が飛び出るほど喜んだ。有名人に自分のメールが届いたと思う優越感。

「うち、あんたにメール送ったり、LINE送ったりしてるけど、メールやったら、あんたが読んでるなんて全く感じられへんねん。あんたにうちの思いなんて届かへんもんやと思ってんねん。でもな、LINEに既読がついたり、あんたからの返信があったりしたら、最高に嬉しいんやで。それだけでこれからも生きていける思うねん。」

 交際中の関西人の彼女風に言うと、こんな感じだ。自分は友達や彼女がいない。本当はね友達とか彼女とかとLINEとかメールとかでガンガンやり取りしたい。ぶっちゃけ、誰でも楽しませる自信がある。でも、私には無理だからなあ。LINEは一生できないだろうな。そもそもタイムラインってなんなん!?自分のメールでパーソナリティさんが笑ってくれる喜びは、私の孤独の心を癒した。やっぱり、深夜ラジオで笑えるということは大前提だと思う。

 私はばかだ。
 
 修学旅行の時、ホテルでトイレとそれ以外の場所ではスリッパを変えないといけないにも拘らず、履き替えるのを忘れ、トイレのスリッパのまま、部屋に帰ってきたのは私だ。

 入院した時、漫画の図書ルームで漫画を借りて、病室へ戻るときに、自分の部屋を間違えてしまい、全然違う親子の点滴中に乱入したのも私である。
 
 何度も、お小遣いを使って、遠く離れた地である横浜や大阪へ行こうとしたのも私だ。今も、大阪に行きたくて仕方ない。でもひたすら我慢我慢。

 公共施設のトイレで、小便用の便器で用を足すも、真っ直ぐに尿を当ててしまい、ほとんど跳ね返ってきて、腕時計やズボンや、ジャケットの袖がずぶ濡れ状態でトイレから出てくるのも私だ。

 デパートのエスカレーターで、毎回、下り用のエスカレーターで上の階に行こうとするのも私である。

 金閣寺は、教科書とかでよくある写真だけのイメージで、船を使わないと中に入れないと思い込み、足利義満は毎回大変な思いをしていたんだろうな。と思っていて、いざ、金閣寺に行った時に、普通に裏から入れることを知って衝撃を受けたのも私だ。

 駅の自動改札で、出てきた切符を取り忘れ、そのまま次の人が切符を入れて自動改札がエラーを起こし、駅員さんをパニックにさせたのも私だ。
 その時、次に切符を入れた人が、私が取り忘れたことをわかったうえでわざと切符を入れて、私を説教したのだ。もう訳が分かんない。

 話は戻すが、私はラジオを録音して聞いている、その録音は大切にとっておいて、毎晩毎晩繰り返してじっくり聞くのだ。私と同じラジオ好きの星野源さんもそんな聞き方をしていたみたいだ。
 源さんは、中学生時代、遠くの私立に通っていたらしく、コサキンのラジオを2時間テープに録音して、レッドアロー号に揺られながら、片道2時間の電車で行き返りの2回、しかも1週間同じ放送を繰り返しじっくり聴いていたとか。意外とラジオでも、2人で語り合う感じのラジオは繰り返し聞けるのだ。私も聞いていてわかった。あの、1人だけで、番組の半分近くメールを読んで話す感じは、1回聞けば十分って思う。

「他の男と付き合ってた時は、留守電とかメールとか、数回見聞きしたらお腹いっぱいになっててん。でも、あんただけはちゃうんや。あんたの留守電とメールは何回聞いてもときめいてまうんや。あかん、感情押さえきれん。言ってもええ?めっちゃ好きやでー。」

 もはや関西的かもわからない。
 
作品名:ラジオ 作家名:しょー