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てっしゅう
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novelistID. 29231
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歴史に学ぶ男と女「裏切りの報い」

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686年7月20日、正式に初めて年号が制定され、朱鳥元年(あかみとりのはじめてのとし)がスタートしました。そして同年9月9日病床の大海人皇子は崩御します。享年57歳でした。漢風諡号(かんぷうしごう=崩御してから贈られる中国風の名前)は「天武天皇(てんむてんのう)」

いよいよ後継者選びの選定に入ろうかという時、大津の兄弟たちはそろって皇太子の草壁を廃し、皇后のさららも廃し、大津が即位するというクーデターを実行に移します(川島皇子は中大兄皇子の息子で、大津とは従兄になる)

645年大化の改新の原動力の一人となった中臣鎌足(なかとみのかまたり)の息子、藤原不比等(藤原史=ふじわらのふひと、とも書かれる)の策略により、大津側の兄弟(正確には従兄も含む)の一人川島皇子(かわしまのみこ)を裏切らせて計画を皇后に告げます。

これにより大津皇子、忍壁皇子(おさかべのみこ)、磯城皇子(しきのみこ)たちは捕縛されます。
ひとり従兄の川島皇子は告げ口の功績で赦免されます。

妻である泊瀬部皇女(はつせべのひめみこ)は夫川島の裏切り行為を激しく非難します。
忍壁、磯城とは大海人を父とする姉弟でした。夫の川島は従兄ということになります。

「わたくしのためにとおっしゃられても兄たちを裏切って助かろうだなんて許せません。二度と顔をお見せに来られないで下さい」と妻のために自分は死ぬわけには行かないとの思いを伝えた川島は失意のどん底に落とされたのです。

家族のために生きながらえることを男らしくないと言われては立つ瀬がありません。
例えば先の戦争です。
妻としては死んでほしくないので兵隊になって欲しくないとの思いはあるのでしょうが、卑怯な方法で徴兵を逃れた夫を、正々堂々と出兵して戦死した自分の兄弟と比べて、「私のために傍に居ようとしてくれた夫に感謝するわ」と、なるのでしょうか?

今の時代でも男は潔く正々堂々と振る舞って欲しいと女性は願うのではないでしょうか?
そんなことを感じさせられた物語です。