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初めて、ねえ
あなたにあった時
あなたは無邪気で乱暴だった
こちらに突っかかって　からまって
わたしたちはじゃれ合った


喜びの時　
あなたは群れなす鳥と化し
わたしを声で包んだ
放心した
あなたは世界になっていたから


哀しみの時
あなたは漁師になり
人魚を捕らえたようにそっと波打ち際まで運んでくれた
そっとそっと
傷つかないように
息ができるところまで


つまらない時
あなたはボールを持ってきて
鼻先で　手先でもてあそんでみせた
わたしが気づいて笑うまで


辛さの奥底に沈んで動けなくなった時
あなたはなんと底まで降りてきて
子守唄をくちづさんだ
やがて浮力が生まれるまで


あなたは誰
あなたは
あなたは


もはや美しく　強い　ひとつの血の通う生き物だと
ようやく気づいたの