小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
かなりえずき
かなりえずき
novelistID. 56608
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

もうやめて!ストーカーポップアップ!!

INDEX|1ページ/1ページ|

 
パソコンを起動すると、
画面の右下に小さなウィンドウが開かれた。

『あなたが好きです』

「なにこれ?」

OKやキャンセルボタンはないので、
ウィンドウの「×」ボタンでウィンドウを閉じた。

最初は特に気にしないまま過ごしていた。

次にパソコンを起動したときに、ふたたび現れた。

『どうしてダメなんですか?
 僕のどこが悪いんですか? 言ってください。
 悪いところがあれば治します』

バツでウィンドウを閉じる。
なんだか不気味。

それからもパソコンを起動するたびに、
ストーカーのようなポップアップが出てくる。

『あなたが好きなものを教えて』
『無視しないでください』
『こんなに愛している人はほかにいません』

「もうやめてぇ!」

どんどん怖くなってウイルスソフトでサーチさせた。
きっと知らず知らずのうちにウイルス感染したに違いない。


検索結果:0件 脅威は確認できませんでした。

と、表示されたその直後に。

『何度断られても、あなたを好きな気持ちは変わりません』

「ひぃっ!」

ストーカーポップアップは表示される。
もう素人の手ではどうにもできないと思ったので、
パソコンそのものを専門の修理業者に頼んだ。

「わ、私のパソコン変なんです!
 気持ち悪いポップアップ広告が勝手に出るようになって……」

「ううーーん。なにかウイルスに感染しているようには見えませんね。
 いたって正常。変なソフトもありませんし……」

「で、でも! 変なウィンドウが出るんです!」

「まあ、一応セキュリティ設定は変えておきますよ」

こんな時に限ってストーカー広告は出てこない。
これじゃ私が被害妄想してるヒステリック女じゃない。

「はい、設定終わりました。
 これでどんな広告も出ませんよ」

と、業者が帰るとすぐにポップアップは表示された。


『君のことが好きなんだ。
 毎日君のことを考えている。
 ずっとずっと一緒に生きて行こう』

よく聴く耳触りのいい歌詞のような文言でも、
状況と相手によっては不気味以外のなにものでもない。

「そうだ、これを証拠にすれば……」

スマホを取り出して、カメラを起動する。
パソコンに表示されたままの広告をフレームに収めたとき……。


『嬉しいな。また僕と君の出会いの場を作ってくれたんだね』


今度はスマホの画面にストーカー広告が表示された。

「誰!? 誰よぉ! 誰かいるんでしょ!?」

私以外誰もいない部屋に声をかける。
ありもしない盗聴器や発信機を探して部屋を引っ掻き回す。
ネットでストーカー対策を相談したりもした。

でも、効果はなかった。

『君は僕のものだよ。
 いつもずっと見守ってあげる。
 僕がどんな時も守ってあげるからね』

パソコン、スマホ……そして、今度はテレビにも表示された。
私はついに耐えきれなくなって警察に相談した。


「このままじゃ私、殺されます!
 なんとかしてください!」

「実際にはどんな被害を?」

「電子機器に気持ち悪い広告が出るんです!
 毎回ですよっ! 毎回っ!
 どんな方法でもいいから、なんとかしてっ」

「う、うーん……」

「実害が出ない限り警察は動かないつもりですか!?
 こっちはウイルスソフトやっても専門家に見せても
 まるで効果がないんですよ!
 もうどうしようもないから、ここに来たんです!!」

「え、えーっと……」

警察はストーカーポップアップ広告の出てくるものの共通点に気付き、
瞬時に完璧な対策方法にたどり着いた。

「私がこのストーカーでどれだけストレスがあるかわかりますか!?
 毎日毎日気持ち悪い言葉を聞かされて気が狂いそうです!
 事件を未然に防ぐのが警察じゃないんですか!?
 このままじゃ私はいつか殺されます!」

「あの、完璧な対策が1つだけあります」

「本当!?
 私の家を24時ボディーガードしてくれるの!?
 それとも……ああ、わかったわ!
 逆探知で相手の住所を調べ上げて逮捕してくれるのね!」




「ネットを切断すればいいのでは?」

警察の完璧な回答に女は即答した。

「そんなの無理に決まってるでしょ!!
 ネットに繋がれなくなるくらいなら、死んだほうがましよ!!」