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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「背徳の恋愛」 未亡人の誘惑 第二話

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「お話と言うのは亡くなった夫のことなんです。私たちは子供が出来なくなって関係が冷えていたんです。夫は子供を諦めるのは私の身体が心配だから仕方ないと言いました。
私は産めなくなったから離婚してくれても構わないと伝えましたが、子供を産めない夫婦なんていくらでもいる。そんなこと気にするなと言ってくれました」

「いいご主人じゃないか。どうして関係が冷えてしまったのか解らないよ」

「うん、そうね。口ではそう言いながらしばらくして赤ちゃんが出来た友達夫婦のことを楽しく話したり、街で見かけた小さい子供を見ると、可愛いなあ~としきりに言うの。私への当てつけみたいに・・・」

「それは子供が居てもそう感じられるから自然の思いなんじゃないの?」

「この人は心の中で悔しい思いを我慢しているんだと思うようになった。その証拠にこんなこと言うのは恥ずかしいけど、手術後に回復しても私を抱くことは無かったの」

「えっ?どう言うこと。妊娠しないってわかっているから、そういうこともしないって考えていたって言うこと?」

「どうしてなんて女の方から聞けないでしょ?はしたない女だと思われるじゃない」

「そうかなあ~男女は同じ義務と権利だから聞いてもいいと思うけど」

「聞いていたら、はっきりとしたくないって言われたと思うわ。そちらの方がより惨めに思えるから今は良かったかなって思っているの」

「結婚して何年だったの?」

「うん、28歳の時だったから、20年ね今年で」

「ずっと我慢してきたんだ・・・」

「もうすぐ女が終わるって思うと・・・悲しい」

麻子の顔はこれまでに見せたことが無いような上目遣いで正治を眺めていた。
正治はぞくっとするような感覚を受けながら話を続けた。

「一度そう言う思いを感じると男と女は修復が難しいのだろうか?」

「そうね、きっとそう。女はダメって感じるともう終わり。修復できるのは表面だけかな。いつかいい人が現れたら離婚してもいいって考えていたわ」

「そう?気付かれなかったの?」

「どうかな・・・どっちでもいいそんなこと」

「亡くなってしまったからそう感じるの?」

「ううん、好きな人が居るからそう思うの」

「好きな人?そんな人がずっと居たんだ?」