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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「恋愛病院 不倫病棟パート2」 第十話

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一時の思いに駆られて人生を見失ってはいけないとつくづく感じさせられる。

「次の方、お入りください」
早奈枝の声に続いて女性が入ってきた。

「鉄男です。まずお名前とお歳聞かせてください」

「はい、名前は早紀と言います。歳は42歳です」

「では、どのようなご相談でしょうか?」

「夫との離婚を考えて悩んでいます」

「浮気でもされたのですか?」

「いえ、逆なんです」

「早紀さんに好きなお相手が出来たという事ですね?」

「はい、そうなんです。身勝手だと思いますが、彼が一緒になりたいと強く言ってくれますので、そのようにしたいと考えています」

「子供さんはどう言われていますか?」

「知らないと思います。話していませんから」

「では、ご主人には話されたのですか?」

「それもまだです。悩んでいて、決心がまだつかないのです」

「それは簡単には出来ませんから、そうでしょうね。ご主人の気に入らない部分はどこですか?」

「夫は普通のサラリーマンで特に不満はありません。しいて言えば・・・夜のことでしょうか」

「なるほど。彼は歓ばせてくれるのですね?」

「お恥ずかしいですが、そうなんです。でもそれだけで夫と別れて再婚したいと思っているのではありません。彼は事業をしていて経営者としてその逞しさというか、男らしさにも強く惹かれたんです」

「外見も良く、収入も良く、テクニシャンの彼にぞっこんというわけですね」

「私みたいな女にはこんなこと夢のようなんです。彼が言ってくれたことに着いて行きたいと思うことは間違っているのでしょうか?」

「あなたが今のご主人と子供さんとの関係を壊してでも一緒になりたいと願うなら、それは誰にも引き止められません」

「そうですよね。私が決めることですよね。先生に離婚していいかどうかお聞きしたかったのは、彼のことなんです」

「と言いますと?」

「はい、彼はバツイチなんです。別れた奥様とは浮気とかじゃなくお金の使い方みたいだったようです。商売が苦しかった時に揉めたと話してくれました。今はそういうことが無いから私には苦労させないと言ってくれています」

「そうでしたか。彼は経済的に不自由が無くなって、心のよりどころをあなたに求めているのかも知れませんね。しかし、あなたにご主人が居るのを知りながら交際して、再婚を匂わせることはちょっと引っかかりますね」

「ええ?どういう事でしょうか?」