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てっしゅう
てっしゅう
novelistID. 29231
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「化身」 第五話

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鍛えていた身体がものをいって作治は夕暮れには水無瀬村に着いた。
白鬚神社の場所を尋ねその主に村長からの書状を手渡した。

「はるばるご苦労じゃった。書状は拝見した。もう日が暮れるから明日を待って話そう。わしの家に泊まりなされ」

「ありがとうございます。ご厚意に甘えさせて頂いてよろしいので?」

「もちろんじゃ。遠路はるばる来られてお疲れであろう。早めに休まれるがよかろう」

作治は主の自宅で夕餉を貰い、早々と眠りに就いた。
自分の村とは違いひっそりとしたたたずまいは何か閉ざされた村の印象を強く持った。

朝を迎えて主は粥を提供して食べながら話を切り出した。

「作治殿、わざわざ来られたことには大きな事由がござろうな?」

「ええ、もちろんですとも。お聞きしたかったことがあるんです」

「わしにか?この村のことかな?」

「はい、実は聞き覚えの話ではございますが、この村では百年ほど前に村人全員が焼き討ちされて亡くなったと聞きました。その話は本当なのでしょうか?」

「その話を村長から聞いたのか?」

「いえ、違います。村長や村の長老たちも知らなかったのでこちらへ伺いました」

「うむ、その話は語るも悲惨な事じゃ。私も父から受け継いだ内容しか知らんが、焼け残った村外れの祠にあった書き物で残されていたそうじゃ。なんでもその昔木曽義仲がここを訪れ平家追討の祈願をして旅立ったとか」

「義仲殿が?ここで祈願されたというのですか?」

「そうじゃ。伝わっておるぞ。その木曽殿が義経に討たれて、残党の一人二男の力寿丸殿がこの村に逃げて隠れなさった。平家の巴御前の隠し子だとも言われておる。源氏の追及は厳しく何度も見つかりそうになっては逃げ、戻って住みつきを繰り返してその子孫を誰にも知られずに継承されてきた」

「そのようなことがこの村にあったとは驚かされました」
作品名:「化身」 第五話 作家名:てっしゅう