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かなりえずき
かなりえずき
novelistID. 56608
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動くな!これを買え!!

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「動くな! 金を出せ!」

銃を突きつけた強盗は袋を前に差し出した。

「これに金を詰めればいいのか?」

「いや違う。この袋のものを買え」

「は?」

「買わないと命はないぞ!!!」

「ええええええ!?」

なんだこの回りくどい強盗は。
金が欲しければ最初からそう言えばいいのに。

「それで、この袋のものはなんなんだ?」

「それは言えない!
 つべこべ言わずにさっさと買え!」

「いくらで?」
「有り金全部だ!」

「普通に金を要求すればいいのに」

「いいから早く買え! 今すぐに!
 ハーリーアップ!」

仕方なく金を出して袋を買い取ることに。
持ってみると、じゃらと音がする。

ちょうどそのとき、外からサイレンの音が近づいてくる。

「はははは! 押し売り強盗!
 お前もここで終わりだな! 警察が来たみたいだ!
 誰が通報したのかしらないがお前は逮捕されるぞ!」

いまどき銃を突き付けて金を出せ、なんて
火サスでもやらないようなベタな作戦するからだ。ざまみろ。

安心して袋を見てみると、
高価な宝石がごろごろと入っていた。

たしかにこれを買い取るには有り金全部必要だ。
そうこうしているうちに警察がやって来た。


「通報を聞きつけて完璧警察が到着だ。
 宝石強盗はどこだ?」

「え゛」

強盗のどや顔ですべてがつながった。

「その袋……お前が宝石強盗なんだな」

警察により、袋を奪われて強盗へと戻される。

「奪われた宝石を取り戻しましたよ。
 こんな高価な宝石を奪うなんて許せない奴です」

「本当ですね。それじゃこれで」

強盗は金を取って宝石を回収し、帰っていった。

金を取られて悔しい気持ちよりも
強盗の手口になんだかほれぼれした。

「上手いことやるなぁ。あれなら俺にもできるかも」

すると、警察が電話をかけはじめた。
なにかを手短に伝えた後、すぐに電話を切った。

「どこに連絡していたんです?」

「それは言えない。
 私は完璧で最高の警察。
 警察組織の秘密は絶対に市民には漏らさない」

「完璧ならなんでさっきの犯人を逃がしたんですか」

「それは言えない。絶対に言えない。
 私は完璧で完全な警察だから、秘密を守る義務がある。
 教えてしまってはうまくいかないからな」

「は?」


すると、警察は銃をつきつけた。


「ところで、この袋のものを買え。
 買わなければ命はないぞ」

「お前も騙されてたんかい!!」