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てっしゅう
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「優しさの行方」 第六話

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息子から夢のことは何も聞かされていないことで不安は無かったが、痩せてきていることが母親の静江は心配に感じていた。
それとなく以前世話になった霊媒師に話をしてみた。

「息子は戻ってから夢のことは無くなったと言っていましたが、この頃の痩せ方と顔色の悪さを見ていると心配なんです。何かあったのではないのかと。ひょっとして私を心配させまいと黙っているようなことがあるんじゃないかと疑っているんです」

「そうか。では友幸君には内緒にして二人で訪ねてみよう。その夢を見ていた時間は何時頃だったかね?」

「たしか0時から2時までぐらいだと話していたように思います」

「なら、お母さんにはきついかも知れないがその時間にアパートへ行って見よう。私の車で行けばいいから、都合のよい時に連絡しなさい」

「ありがとうございます。学校が休みになる土曜か日曜に行って見たいと思います」

「では早速今度の土曜日の夜に出かけるとしよう」

静江は娘に用事が出来て名古屋へ行くので留守番を頼むと伝えた。
夜に出かけるというのは珍しいことだったので、勤め先の用事で遅くなると嘘をついて出かけた。

霊媒師の車は夜の19号線を南下して愛知県春日井市から矢田川、庄内川と渡って市内へと入っていった。

アパートに着いたのはまだ0時少し前の時間だった。車のエンジンを切って車内で少し時間を待っていた。

「0時になりましたね。行きましょうか、村山さん」

「はい、お願いします」

「鍵は持っていないですよね?」

「合鍵は渡してもらってないのでないです」

「じゃあ逆に安心して寝ているでしょう。静かに玄関ドアーに着いたら鍵穴から中を覗きますので、声を出さずに待っていてください」

「解りました」

二階へ上がる階段をゆっくりと音を立てずに二人は登った。
静まり返っている空間に人の気配が感じられる音がする。それは音と言うより声に近かった。

先に霊媒師が鉄の扉に着いている鍵穴に右目を近づけて中を覗いた。
ドアノブの上にあるその小さな穴から薄明かりの部屋の一部が覗けた。
何かが動いていた。それは友幸の身体ではなくもっと小さな何かに見えた。
しばらく様子を見ていた霊媒師は恐ろしいほどの妖気を感じてきた。

相手もそれに気付いたようだ。
このままでは友幸が危ないと感じた霊媒師は響く声で呪文を唱え、母親を手招きするとノックするように指示した。