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エースを狙え

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 グラウンド

 17:30


俺はマウンドに上がる。


「3球勝負でいいか?」


平井は眉を少し曲げたが頷いた。
そりゃそうだ。平井は現役バリバリだがこっちは一ヶ月半くらい練習をしていないのだから。体力面で違い過ぎた。
平井は軽く素振りをする。
捕手が座り俺はキャッチボールを軽くする。
5球。
意外と体が動いたので驚いた。
平井は打席に立つ。
妙に威圧感がある。やっぱり後輩とは思えないオーラのようなものを持っている。駄々漏れだ。味方で良かったと改めて思う。こういう奴がプロになるべきだ。
しかし今は勝ちにいかないといけない。

1球目。
まずは内角中間にストレートを投げた。
思ったよりスッと投げれた。予選の時はあんなに体が重かったのに…
平井は空振り。

2球目。
内角高めにストレートを投げた。
平井はカットしてきた。しかしファールだ。そしてもう1球投げた。腰辺りに入るスライダーだ。しかし次は快音がなった。金属バットの音だ。平井は首を曲げる。もう1球…何処に投げようか。こいつには小細工は通じない。なら……、投げた。
ど真ん中のストレートを。
平井は確かにその球をバットに当てた。しかし結果はピッチャーフライだった。俺は自分に返ってきたボールを軽く取る。


「次で最後だから」

「必ず、当てます!」
作品名:エースを狙え 作家名:本宮麗果