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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「優しさの行方」 第二話

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「外人の女性が好きなんでしょ?ハハハ~」

「なんでそれを?」

「だって見たもん」

「どこで?」

「お部屋で友幸さんが1人でしているところを」

「そんなバカな!誰にも見られていないぞ。どうしてそんなウソを言うんだ?」

「ウソじゃないって・・・本当のことでしょ?」

「それは、そうだけど。信じられないよ。これは夢かも知れない・・・」

そう思ったところで目が覚めたのだ。
時計を見ると2時ちょうど。
明かりをつけて辺りを見回して、窓を開けて外も見たけど、普段と変わっている様子は全くなかった。

その夜から毎夜眠りに就くと午前2時に目が覚めることを繰り返してゆく。
友幸は睡眠不足というよりその不思議な夢に悩まされてゆくのだ。
バイト先で仲良くなった年上の女子大生にその不思議な体験話を聞いてもらうと、大きく笑って「それはあなたの性欲が夢を見させるのよ。溜まってんじゃないの?ハハハ~」とバカにされた。

一月ほどして母があの日のことが気になっていたのか突然やってきた。

「友幸、連絡しないで来たけど泊まっていってもいいよね?」

「母さん、どうしたんだよ?来るなら言ってくれれば布団用意しておいたのに」

「まあ、そんなことしなくていいのよ。お金無いんでしょう?無理してくれなくていいのよ。お母さんね、どうしてもあの夜のことが気がかりで来たの。あれから変わった事起こってない?」

母親に言うべきか迷っていた。その表情を見て何か悟ったようだった。
仕方なく毎晩見ている夢の話をした。最初に物音を感じてそのあとで夢を見るようになったことも言った。

「母さんが感じた物音は本当だったんだよ。原因は解らないけど、それから夢を見るようになったから、何か関係があるのかも知れない」

「そうだったの。夢の中の少女があの物音と関係するというのなら気味悪いわね。長く続くようならお医者様であなたの脳を検査してもらいましょう」

「ボクの脳を検査する?精神病だというの?」

「そうは思わないけど、検査して異常が無ければひとまずは安心でしょ?それから夢のことは考えればいいことだし。ここから引っ越しすればもう見なくなることなんじゃないのかしら」

「以前に住んでいた女性が引っ越ししたのはこの夢のせいだったのだろうか?」