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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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眠りの庭 探偵奇談2

INDEX|35ページ/37ページ|

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翌朝、郁が学校に行くと大騒ぎだった。
中庭が、一夜にして一変していたのだ。
重機からも、めくられた地面からも、緑の草が芽吹き、草原の様に緑色に包まれていたのだ。掘り返された岩は苔むして、ひっそりと息づいている。

美しい庭を見て、生徒たちは祟りという認識を改めたようだった。ここには何かがいて、中庭を大切に思っているのではないか。だったら、守ってやらなくては、と。

生徒会が中心となって学校側にかけあい、一週間後には工事の話は立ち消えていた。浅田は喜んでいたし、これまで通りに中庭を使えるということで、生徒たちにもその決断は拍手をもって受け入れられた。

そして学校に平和が戻ってきたのだった。



(…須丸くんも元気になったなあ)

瑞はあれから寝不足や苛立ちを抱えている様子もない。伊吹も学校に戻ってきているし、すっかりいつもの瑞に戻った。郁はそれに安堵する。

(よかった。なんか幸せ)

なんでもない日常が幸せだと感じるなんて、自分でもおかしかった。

浅田はあれから、幾度となく瑞と郁に礼を重ねた。大切なものを守ってもらった、と。郁は、その手助けができたことが嬉しかった。

学校にも、あの庭に眠れるものにとっても、互いに共存できる道があってよかった。排斥するのではなく、繋いでいく、ともにあるべき形を探す。それが可能になれば、自分たちの隣に息づく見えないものと、わかりあえるのかもしれない。瑞がそうであるように。




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