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からっ風と、繭の郷の子守唄 第26話~30話

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からっ風と、繭の郷の子守唄(26)
「広瀬川を彩るライトアップと、映画『卒業』のリバイバル上映」

  「康平。もう帰りの支度?」

 「うん。そろそろ帰ろう。まもなく終電の時間だ」

 「あら、今でも上電(上毛電鉄)で通っているの。
 高校時代と変わらない通勤をしているんだ、あなたって。
 懐かしいなぁ。上電は」

 「あの頃と違うのは、無料で電車内へ自転車を持ち込めるようになっただ。
 ずいぶん、便利になった。
 どうする君は。アパートへ帰るなら、タクシーを呼んであげるけど」

 「久しぶりに、実家へ帰ろうかしら。
 アパートへ帰っても誰も居ないし、ひとり寝じゃ寂しいだけだもの」

 「どうした?。最愛の亭主と、喧嘩でもしたか?」
 
 「ただの長期出張。
 子供がいるわけでも無いし、暗い部屋で、冷たいお布団が待っているだけ。
 康平と一緒に久しぶりに上電に乗って、実家へ帰ろうかな」