小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
かなりえずき
かなりえずき
novelistID. 56608
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

ロボットがモテちゃ悪いかぁぁ!

INDEX|1ページ/1ページ|

 
「ついに! ロボット看護師との合コンだぁぁぁ!!」

1号は高らかに天にこぶしを突き上げた。
人脈ならぬロボ脈をたぐりにたぐった結果、
ついに念願のロボ看護師との3対3合コンをセッティングできた。

「はぁ……ロボ看護師かぁ……」

「きっと素敵なんだろうなぁ。
 俺のパーツも整備されたい……」

ロボの部品を組み立てたりするロボ看護師は、
ロボットにとって美人の代名詞。

「いいかみんな。今夜の合コンは全員が幸せになるんだ。
 みんなが全員お持ち帰りできるように協力するぞ」

「「おぉーー!!」」

ひとりが全員のために、全員がひとりのために。

「おい待て。その前にアピールがかぶらないようにしよう」

「そうだな。
 お互いのアピールポイントがカブってしまえば
 俺たちで一人の女ロボを取り合う骨肉の争いになってしまう」

「骨も肉もないのに」

そこでロボットたちは女ロボが来るまで作戦会議をすることに。
ちなみに、特に会議をしなかった場合
全員が全員「優しい」アピールをする予定だった。危ない。

「1号、お前はアピールするところあるか?」

「うーーん。これといってないけど……。
 しいて上げれば、体は頑丈かな? サビないし壊れにくい」

「それだよ! お前は体のたくましさをアピールするんだ!」

「看護ロボだから一緒にいるときも看護したくないだろうし、
 そこを俺たちもアピールに協力するよ!」

2号と3号は力を合わせて、
1号の「体が強い」アピールの武勇伝をこしらえた。

これなら、筋肉フェチならぬ部品フェチのロボが食いつくに違いない。


「さて、2号はどうする?
 お前は正直、体はぜんぜん頑丈じゃないだろう」

「そうだなぁ……僕は最新版のOSが入っていることしか……」

「それだよ! そこをアピールしよう!
 2号は最新版のMacdows8が入っているじゃないか!」

「看護ロボと言えば、日々パーツの計算とかで忙しい!
 お前のその頭脳をアピールすれば間違いなく落ちる!」

1号と3号は協力して、2号の「頭いい」ストーリーを用意した。
頭の良さ=頼りがいがある となるようなものを。


「さて、問題は3号だよな」
「お前は全部人間がいたころの旧式素材だからな」

「なんだその哀れむような目は!?」

ボディも旧式なので雨風には弱いし、
OSも人間がいたころの古臭いものしか入っていない。

ツッコミに関してもいまいちキレがない。

「いや待てよ……3号、お前確かサブパーツがあったよな?」

「ああ、人間がいた頃に作られたパーツが……そうか!」

3号も合点がいって顔パーツを差し替えた。
すると、見違えたようなイケメンフェイスに仕上がった。

かつて人間が、ロボに愛着を持たすためのパーツだった。

「これならばっちりだ!
 毎日疲れ切った不細工ロボを見ている看護ロボなら、
 その顔は2割増しでかっこよく見えるぞ!」

「ああ、これで行くよ!」

3体は綿密な打ち合わせを重ねて、女ロボを待った。


「お待たせ~~遅くなってごめんねぇ」

女ロボットがついに到着。
なぜか全員バカでかい筒をもってきていた。

けれど、そんなことが気にならないほど女ロボは
誰の理想も裏切らないほどの完成度をしていた。

男ロボたちはお互いに目くばせして、作戦の決行を指示した。

 ・
 ・
 ・

「それじゃ、これで~~」

1号は作戦の成功の鼻の下のネジ穴を伸ばした。

合コン前の作戦がこれほどまでにぴたりとはまるとは思わなかった。
1号だけでなく、2号、3号もうまくお持ち帰りに成功。

「看護ロボットって、どんなことしているの?」

「ロボットのメンテナンスに……。
 部品の交換、あとはロボットのクローンもしているわ」

「へぇ」

正直、1号の耳には何も入ってこなかった。
完全にこの後のことばかりで、頭はオーバーヒート一歩手前。

「な、な、なぁ、この後どうしよっか」

「……私、まだ帰りたくないな」

1号の鼻からオイルが漏れる。
これはまたとないチャンス。

暗視モードに切り替えた目がホテルの看板を必死に探していると、
女ロボが服の裾をついと引いた。

「……そこがいいわ」


ま さ か の 路 地 裏 。


なんて大胆なんだ。
1号は今にもネジが吹き飛びそうな興奮を覚える。

普段、壊れたロボを世話するストレスにさらされている彼女たち。
時に大胆で刺激的な体験を求めているのだろうか。

「い、いいよ」

1号は人通りの少ない路地裏に入っていく。
明かりが少なくなり、お互いの姿も見えにくくなる。


「そういえば、聞いてもいい?」

「なに?」

「今日の合コンに来ていた女の子たち、
 みんな大きなものを持ってきていたけどあれは何?」

「ああ、あれは暴れる患者ロボ用に使うスタンガン」

「どんな時に使うの?」


「そうね、こういう時に便利よ」

女ロボは1号に迷いなく電流を流した。
一瞬で1号のデータが吹っ飛んで意識がなくなった。


※ ※ ※


「ああ、私よ。こっちは終わったわ」


連絡を取ると、2号、3号とともに別れた女ロボットが合流。
全員、男ロボットを連れていた。

「それじゃ私たちにふさわしい相手を造りましょう」


1号の体を複製し、2号のOSを入れて、3号の顔に差し替えた。